マカオ研修旅行記 カジノ編(2) |
前回に引き続き、現地のカジノで採用されているゲームを紹介・解説していきたいと思います。
《バカラ:百家樂》 テーブル数:異常なまでに多い 最低投注額:中級カジノ・・・HKD100〜、高級カジノ・・・HKD200〜 世界中のギャンブラーが最も大金を賭けるゲームとして有名なバカラ。 その中でもマカオのバカラ熱は尋常でないといっても過言ではありません。 どこのカジノもテーブルの半数以上がバカラですので、このゲームが好きな人にとってはパラダイスです。 バカラは技術不要の至極単純なゲームで、PLAYER(閨Fハン)とBANKER(庄:チョン)とテーブル上にプリントされた場所にカードを2〜3枚を所定のルールに従って配り、どちらの点数下一桁が "9点" に近いかを予測するだけです。 カードの配布ルールは画一的に決まっているため、顧客やカジノ側の意思は一切介在しません。 賭けの対象となるのは、先行の「PLAYER」か後攻の「BANKER」、そして双方同点の「TIE」の3種類だけです。 PLAYERとBANKERのどちらかで当たれば、置いた賭け金と同額の配当を受け、TIEの場合は引き分けとなります。 TIEに賭けていて当選した場合は、賭け金の8倍分の配当がもらえます。 なお、マカオでは對子(=対子:トイチー)という賭けも、TIEの賭け枠と同じような場所に用意されています。 これは、PLAYERまたはBANKERのいずれかを選択し、最初に配られた2枚のカードが同数(絵札なら同じ英字)のペアなら当選で、11倍の配当が付きます。 ちなみにこのペアベットは、ブラックジャックのゲームでも採用されています(配当倍率も11倍で一緒です)。 もちろんこれは本線とは別のサイドベットであるため、店の取り分(ハウスエッジ)も多いのですが、いかんせん中国人はペアベットが大好きなのです。 みんなポンポンとチップを乗せていきます。こりゃ黙っていてもカジノが儲かる訳だわな・・・ バカラは究極の二択を永遠と繰り返すゲームですので、連勝の波に乗ればチップは倍々に増えます。 まぁ反対に地獄を見ることも多々ありますが、PLAYERかBANKERのどちらか一方は必ず生き残りますから、その時の勘が全てです。 また、技術介入の余地がないゲームとは言うものの、各テーブルにはその台で起きた結果がディスプレイされており、どちらが何連勝したかが一目で分かります。 それを頼りに次の結果を予測するのも、このゲームの楽しさといえるでしょう。 どちらか一方に勝ちが続いている(連なる:ツラ目)か、それとも毎回入れ替わっている(てんこしゃんこ:テンコ目)か、そしてそれを素直に追うか、反目に賭けるか・・・ 加えてバカラの緊迫感を極限まで高揚させるルールとして、「スクィーズ」のセレモニーがあります。 日本ではこのスクィーズを「しぼり」と呼び、PLAYERとBANKERでそれぞれ最も高額を賭けた人がそのチームの代表となり、優先的にカードを覗き見ることができるのです。 トランプの点数は常に決まった位置に印刷されているので、数字が書かれているカードの角を指で隠し、徐々に捲り上げてその点数を確かめにいきます。 2枚のカードの組み合わせに最高点の "9" や次高点の "8" のチャンスがあると、場の熱気が一気に上昇するのです。 「チョイヤー!」「テンガァ〜〜」と広東語でその点数が自分の望むべき数字であって欲しいと気合いを入れて、最後にカードの中央を覗きます。 配られたカードは最初から既に結果が決まっているにもかかわらず、気合いを入れれば点数が変わると本気で信じている人もいる程です・・・汗 まぁ、本当におめでたいゲームですな。 ちなみに、このスクィーズは最小投注額(ミニマムベット)が低いテーブルでは提供されません。大体HKD200〜のテーブルなら間違いなくOKでしょう。 また、このゲームは後攻となるBANKERが統計上有利になっているため、こちらで勝利した場合は配当から5%の手数料(コミッション)が差し引かれます。 テーブルによっては通常コミッションを取らないものの、BANKERが "6" 点で勝利したときに限り、半額の配当(=50%コミッション)になるルールが採用されている場合もあるのでご注意を。 他国のカジノでは最低でも数万円積まなければスクィーズできない事を考えれば、マカオのバカラ天国さが良く分かるかと思います。 ![]() マカオは世界一のバカラ天国 《ポーカー:撲克》 テーブル数:カジノによって有無がハッキリしている 最低投注額:ブラインドベット・・・HKD10-25〜(ノーリミット) 欧米を中心に人気の高いポーカーはマカオでもプレイすることが可能です。 種目は現在のポーカーの主流となっている「テキサス・ホールデム」です。 テキサス・ホールデムは各人に配られた手札2枚と、テーブル中央に並べられた5枚の場札の計7枚を使い、最も強い5枚で手役を完成させた人が勝ちとなるゲームです。 しかしカードは小出しに配られるため、途中でチップを賭けて相手を脅し、ゲームから降ろすことも可能であるなど、戦略的要素が高いのが特徴です。 ここで紹介するポーカーはカジノ側と勝負するのではなく、顧客同士で腕を競い賭け金をやり取りします。 そのため、カジノでは通常のゲームテーブルとは別に区画を設け、ポーカールームという形で運営しています。 ポーカールームが用意されているカジノは「グランドリスボア」「ウィン・マカオ」「スターワールド」「ベネチアン」「ハードロック」などがあり、午後3時くらいから人が集まり始め、平均して2〜4卓くらいがオープンするといった感じです。 大きなポーカートーナメントが催される時は、もっと沢山のテーブルが開くのだと思いますが、残念ながら今回の滞在では特に動きはありませんでした。 平常時のポーカールームでは「キャッシュ・ゲーム」という、現金化できるチップを直接賭けて勝負を行います。 カジノ側ではなく周りに座っている他のプレイヤーと賭け金の奪い合いをするのですから、否が応でも緊張感が高まります。 また、ゲームがノーリミット制という事で、手持ちにあるチップはいつでも全額賭けられるルールになっているため、ひとたび勝負が大きくなると一番小額のテーブルでも数万円の出入りが起きることも珍しくありません。 さて、ポーカーをプレイするには、まず最初にルームの入口で希望するレートを係員に告げます。 人数に空きがあればすぐに参加できますが、そうでなければウェイティング・リストに名前を登録してもらいます。 リストはルームの入口にディスプレイされているので、あと何人後に着席できるかが分かります。 賭け金となるチップはルーム内のキャッシャーで購入します。 全てのレートには最初の投資額(バイイン額)のミニマムとマキシマムが定められているので、その範囲に収まるように資金を用意しましょう。 既にゲームが回っているテーブルに入る時は、必ずビッグ・ブラインド分の参加費を置かなければなりません。これをポストといいます。 反対に止めるのはいつでも自由です。テーブル上の自分のチップを引き上げて、立ち去るだけで結構です。 ゲーム中に注意する点は、プレイ中の手札を必ず手元に寄せておくことと賭け金の提示はハッキリと行うことです。 特に賭け金を吊り上げる「レイズ」の行為は、他者が敏感に反応するので、数字だけでも良いので明瞭に発声しましょう。 なお、米国などのカジノでは勝利した際に受け取った賞金のうち、一部をディーラーにティップ(心づけ)として渡す習慣がありますが、マカオでは特に必要ありません。 欧米人のプレイヤーは習慣的にティップを渡してしまうため、意味の分からないディーラーが一瞬「キョトン」とするのがちょっと滑稽だったりします。 ふぅ〜っ。まだまだ紹介したい種目があるのに、これじゃ終わらんなぁ・・・ ということで、また次回に続きます。 次に進む 目次へ戻る |