マカオ研修旅行記 カジノ編(1)
 今回の研修旅行ではカジノの専門家としてマカオの活況を調査するのと同時に、自由時間を使っていくつかのゲームをプレイしてきました。
 本編では現地の状況と実際に採用されているゲーム種目やテーブルリミットを紹介・解説していきたいと思います。

 なお、全ての情報は2011年3月末現在のデータとなりますのでご了承ください。

《マカオの基本データ》
 国名:中華人民共和国マカオ特別行政区
 表記:中国語・・・澳門、英語・・・Macao、ポルトガル語・・・Macau
 人口:約55万人
 距離:日本から飛行機で約5時間半、香港からフェリーで約1時間
 通貨:現地通貨はMOP(パタカ)だが、HKD(香港ドル)と連動、HKD100=約1,100円
 地形:北から「マカオ半島」「タイパ島」「コロアネ島」の順に並び、
    現在はタイパ−コロアネ間を埋め立てた「コタイ地区」もあります。


           マカオの場所

《カジノの基本事項》
 カジノ軒数 :33ヶ所(マシンゲームのみの施設を除く)
 オープン時間:24時間営業、年中無休
 年齢制限  :18歳以上
 ドレスコード:カジュアル

《カジノでの注意事項》
 ・ゲームのルールや各種案内が英語よりも漢字を優先して表記されている
 ・立ち見の客が勝手に自分が賭けた枠と同じ場所に相乗りしてくること多数
 ・人気のカジノはとにかく人でごった返しているので、貴重品の管理はしっかりと
 ・ディーラーの愛想は良くないので、期待しないでおきましょう・・・


            カジノの入口

 それでは、ゲーム種目の紹介です。
 「テーブル数」はマカオ全体のカジノで、そのゲームをどの位探しやすいかを目安にしたものです。 また、「最低投注額」は標準的なミニマム・ベットの金額を表記しています。
 なお、この金額は曜日や時間帯、繁盛期と閑散期などの違いによって変動するのが一般的です。


《ブラックジャック:廿一點》
 テーブル数:そこそこ多い
 最低投注額:中級カジノ・・・HKD100〜、高級カジノ・・・HKD200〜

 勝負の目的はトランプカードを使って、21点を超えずにディーラーよりも点数を高くすることです。世界中のカジノで行われているルールと基本的には同じです。

 マカオのブラックジャックはヨーロッパのカジノと同様、ディーラーの2枚目のカードを最初に配らない「ノーホールカード」形式で行われます。
 ダブルダウンやスプリットの作戦でゲーム中に賭け増しした時、ディーラーに後からブラックジャック役ができた場合、ダブルの追加分は返却されますが、スプリットした分については没収となってしまいます。
 中級カジノの場合は、両方のケースで没収されてしまう場合もあるようです。

 また、マカオでは賭け金の半額を放棄してゲームから降りる「サレンダー」が認められています。
 ただし、ディーラーの表札が "A" の時にはできません。また、サレンダーは全員にカードを配り終えた直後に申し出なければなりません。

 なお、相乗りで賭けることが認められているため、立ち見のオバハンなどが自分の持ち金ではミニマムベットに足りない時に、「上に乗せてくれ」とせがんで来ることがあります(汗)

 もし、相乗りする人の方が高額のチップを賭けた場合、そのハンドの決定権は相乗りした立ち見プレイヤーに移ってしまうので要注意です。
 このシステムは世界広しといえども、マカオだけでしか見ることができないルールでしょう(普通は着席しているプレイヤーに権利があります)。


《ルーレット:輪番》
 テーブル数:少ない
 最低投注額:インサイド・・・HKD25〜、アウトサイド・・・HKD100〜

 こちらも世界中のカジノで親しまれている種目です。
 ディーラーが数字盤(ウィール)の中へボールを投じ、どの番号のマス目に落ちるかを予想して賭けるゲームです。

 マカオでは現在、1〜36番までの番号に "0" を加えた「ヨーロッパ式」と呼ばれるウィールが採用されています。
 しかし、元々は「アメリカ式」と呼ばれるウィールの数字配列を変形した、独特の「マカオ式」(写真参照)が一般的でした。
 このウィールは「黒の2番と28番」が隣り合わせになっているのが最大の特徴で、大変珍しい物です。


      マカオにしかない配列のルーレット

 これは、2002年から外資にカジノ経営権が与えられるようになり、数字の配列バランスが良い「ヨーロッパ式」が導入されたためだと推測されます。
 今後はマカオ式ウィールは減少の一途をたどると思いますので、興味のある方は早いうちに見に行ったほうが良いかも知れませんね。
 現時点では「リスボア」「ファラオズ・パレス」「サンズ・マカオ」の三ヶ所で少なくとも稼動しているようです。

 あと不思議なルールとして、上記のリスボアとファラオズ・パレスの2店では、顧客が全てのチップを賭け終わってからでないとディーラーがボールを投げ入れない事です。
 特に不正をしているようには見受けられませんでしたが、これでは外れた時に「ディーラーに狙われた」と誤解してしまう客が出ても仕方ありませんね(汗)

 そんなこともあり、正直マカオでルーレットは台数に比例するように、あまり人気がないようです。


《シックボー(大小):骰宝、または魚蝦蟹》
 テーブル数:多い
 最低投注額:大/小賭け 中級カジノ・・・HKD50〜、高級カジノ・・・HKD100〜

 マカオを始めとするアジア圏で人気のサイコロゲームです。
 3個のサイコロ目の合計数や組み合わせを当てるもので、合計11以上の"大"、もしくは10以下の"小"を予測するシンプルなものから、3個ゾロ目を一点で当てて150倍の配当を狙ったりもできるなど、賭け方のバリエーションが多いのが特徴です。

 ルーレットが西洋で人気であるのと同様、アジアでは大小がその役割を果たしているようです。
 マカオのカジノで人だかりになっているテーブルといえば、大抵はこの「大小」か「バカラ」ですね。

 大小をプレイする上で注意しなければならないのは、賭けたチップの場所を各自のプレイヤーが覚えておかなければならない事です。
 これはチップが全員同じデザインであるため、テーブルの盤面を全員で共有して賭けていると見分けがつかなくなるからです。

 あとマカオの大小は、カジノ側の取り分である「ハウスエッジ(控除率)」が非常に高い賭けが混在しており、倍率に目が眩んでしまうと、お金をドブに捨てるような行為に繋がりかねませんので注意が必要です。
 正直、10倍以上の倍率が提示されている賭けのほとんどが高いエッジになっているので、地味な倍率の賭けに徹した方がお財布には優しいでしょう。

 また、大小の親戚として「魚蝦蟹」というゲームも存在します。
 実はゲームのルールは全く同じなのですが、サイコロの目が全て所定のシンボルに置き換えられているのが特徴です。
  ※目の対応、1:魚、2:蝦、3:ひょうたん、4:貨幣、5:蟹、6:鶏


                       魚蝦蟹のシンボル一覧

 なお、大小やルーレットなど純粋に結果を予測するだけのゲームはマシン化されており、より低価格でプレイすることも可能です(写真参照)。
 実際にチップを持って賭けたり、ディーラーの仕切りや手さばきなどを見たりすることはできませんが、マイペースで楽しみたい方にはオススメです。


       マシン化された大小ゲーム

解説がだいぶ長くなってしまったので(汗)、続きは次回の日記にて・・・

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