2003 LAS VEGAS ディーラー研修
第三週目



7月24日(Thu) 第15日目
 おととい、車のバッテリーがあがってしまった時、無理をいってキソさんに来てもらい、助けてもらったお礼に、私の主戦場であるPALMSディナーバフェをみんなで食べに行くことになりました。結局、車の故障当日、自分は結局部屋で待機していて実質何もしなかったので、ちょっとした罪滅ぼしの意味を含め、今日は私がおごる事に決定。とはいっても、実は私も無料で食べてきたのですが・・・

 それはどういう事かと言うと、ここ数日、毎日のようにここのカジノでビデオポーカーを打っていたため、ゲームに賭けた賭け金の総額(勝ち負けではない)によるポイントが溜まり、 そのポイントを食事代に充当したというわけです。このようなシステムを通称 ”コンプ” といい、無料サービスを提供することで、顧客に同じカジノで長く遊んでもらうようにしている訳です。これは、日本で言うところの家電量販店がポイントカードを発行し、それを次回商品購入の際に現金として充当するのと全く同じシステムです。

 ラスベガスをはじめ、競争の激しい地域のカジノではこの手のプロモーションを常に行っていますので、じっくりゲームを楽しむプレイヤーは、ぜひ各カジノで発行しているプレイヤーズカード(無料)を作ってから遊びましょう。

 さて、今晩食べに行った、”ファンタジー・マーケット・バフェ” という名前のバフェは、朝食$6、昼食$7、夕食$12(ただし曜日によってはステーキディナーで別料金)で入場する食べ放題のレストランです。建物自体もまだ新しく、若者向けの造りでもあるため、明るく賑やかな印象を持ちました。肝心の料理も美味しく、中華やイタリアンなんかもあり、品目にかなり幅がありました。


キソさんにはお世話になりました

 胃袋を満足させた後は、財布を満足させにいつもの台へ。最初は全然いい所が無く、粘るのが精一杯でしたが、粘った甲斐あってか、3時間ほどでようやく 4 Deuces が完成。それから、なぜか急にバカヅキモードに突入し、クレジットはもう全く減らない。何気なく残した1枚の Deuce が次の瞬間、4枚に揃っていたりするのだから凄まじい。結局、9時間のプレイ4 Deuces を今まで最高の4回も引き当て、大満足の結果。しかし、ロイヤルは未だ姿を見せず・・・


7月25日(Fri) 第16日目
 昨晩は早朝のご帰宅だったため、昼まで寝て、午後からスクールへ行こうと思っていたのですが、朝10時ごろ、誰かがドアをノックするので開けてみると、ハウスキーピングのおじさんがいました。

 そういえば昨日、「トイレの流水が詰まったので直してほしい」とフロントオフィスへ頼んでいたのですが、昨日は姿を見せなかったので、どうやら今から直してくれるらしい。まあ、この辺はさすがアメリカ、クレーム処理もすぐに行わないのは、のんびりというか、ルーズというか、普段日本で生活している私達には少々理解しがたいかも知れません。

 結局、それから二度寝をしてしまい、スクールへ行ったのは夕方。2時間ほど練習をしてから三人で夕食を取り、いつもの所へ。おとといからビデオポーカーにハマった河野さんと一緒にトライするも、お互いに振るわず。特に彼女はあさってベガスを発たなくてはならないので、残念がっていました。


7月26日(Sat) 第17日目
 一週間前、SAHARAのポーカールームでお会いした、ノブさんから久しぶりに連絡があり、一緒に昼食を食べに行こうという事で、一路PARIS(パリス)へ。食事類の評判が非常に高くて有名なこのホテルで、何を食べるかかなり迷いましたが、まだランチということもあり、手軽なクレープに決定。昼といっても今日は土曜日のせいか、クレープ屋の前にも行列ができており、15分ほど待ってようやくオーダーできました。

 この店は、甘いデザートクレープと、肉や野菜を包んだクレープとがあり、今回私が選んだのは ”デス・アミス” というトマトソースにベーコンとチーズをミックスしたものでした。肝心の味は、塩加減のちょうど良いソースがとても美味しく、意外に量もあって大満足。$6という手頃な値段で十分納得のいくランチが堪能できました。

 その後、車でPALMSまで送ってもらい、一人で3時間ほど叩く。いつもカジノでは、ライブポーカーと、ビデオポーカーとで行くカジノが違うため、それぞれ別行動をしています。今日の戦績は今ひとつパッとせず、$100のマイナス。ちなみに、今晩は河野さんにとって最後の夜なので、キソさんと相棒の東谷さん、私達三人の計5人で夕食を食べに行くことを決めています。

 19:00過ぎに全員がPALMSに集結し、今晩の主役である彼女のリクエストで、ピザ&パスタが食べられる、MIRAGE(ミラージ)ホテル内の ”カリフォルニア・ピザ・キッチン” へ向かう。こちらも週末ということで行列ができており、30分近く待ってようやくテーブルへ。ピザ2品、パスタ2品、サラダ1品、デザート1品を5人でシェアして食べる。中でも、ニンニク入りのトマトソースパスタの味が一番良かったです。ただ、アメリカで頼むパスタはどこも麺がフニャフニャで、「もっと腰があれば、さらに美味しいのに・・・」とも思いました。


夕食後のひととき

 次に彼女のもう一つのリクエストである、ビンゴに挑戦。前回行った、GOLD COASTで23:00に開始されるセッションへ参加。そこでなんと、凄い事に最後の賞金$1,000のビンゴで、河野さんにリーチが掛かる。ドキドキ。彼女が待っている番号は ”O-61”。そして、次に呼ばれた番号はなんと・・・ ”O-62” 。ズルッ。結局、この一番違いが災いし、その次の番号で賞金は他のプレイヤーに持っていかれてしまい、残念ながら、河野さんの二回目の$1,000 GET は実りませんでした。


7月27日(Sun) 第18日目
 今ツアーのメンバーの一人である、河野さんがいよいよ帰国してしまうため、朝9時に部屋で最後の挨拶。しかし、まだ眠たいせいかあまり記憶がなく(るりちゃんゴメン)、次に目を覚ましたときは、すでに午後3時。とはいえ、日曜日である今日はさしたる予定がないため(前も触れたが、ここで一般の方々は買い物行ったり、郊外へドライブしたりするのであろうが、私たちは筋金入りのカジノマニアなので、その様な選択肢は有っても無いのです。ハハハ・・・(汗))、当然日々鍛錬。こちらはすでに60,000回以上叩いているが、未だにロイヤルは出現せず、今日も$100の負け。

ここで、少々考えてみたのだが、ポーカーマシン自体にトリックは無いとしても(ネバダ州のゲーミング法により決められているため)、個々のゲーム進行リズムによって、出やすい役の傾向があるのではないかと感じてしまった。つまり、ロイヤルが即日出ても、10倍出易い 4Deuces はなかなか出ない河野さんのようなタイプと、4Deuces は平均よりも2倍近い割合で出現しているのに、ロイヤルは全くでない自分のようなタイプに大別できるのではないか、と思ったわけです。 もちろん、このような考え方はゲーム自体が完全に “ランダムかつ公平” に行われている以上、迷信以外の何物でもないのですが、あまりにも傾向が極端だったので、明日からは「4 Deuces が出た時点で終了」、という新しいシステムで挑戦したいと思う。


7月28日(Mon) 第19日目

 週明けの今日は昼前にスクールへ行き、まずはルーレットの練習。言葉のつたない自分にもちょくちょく声をかけてくれる Jonny と一緒に配当を中心とした実践練習を行う。当然経験者である自分は、配当計算のスピードやゲーム進行のリズムが皆よりも良いので、ちょっと優越感に浸ってしまいました。イカンイカン・・・

昼食時に一旦部屋に戻り、たまった洗濯物をランドリーに持っていき洗濯。今回泊まっているBUDGET SUITESには9つの客室棟があり、その中心部にコインランドリーが備わっている部屋があります。また、その近くには宿泊者専用のプールやジャグジーなんかも備わっており、せっかく宿泊している身分なので、今度ゆっくりと利用したいと思っています。

さて、スクールへは夕方頃に行き、ブラックジャックの練習。少しずつ “ピッチングのコツ” が掴めた気がするも、本当に大丈夫なのかはまだ微妙な所石田君が車でピックアップしてくれた帰り際、昼に一緒に練習をしていた Jonny が「夕食に行こう」と誘ってくれたので、一緒に付いて行く事に。行き先は、チャイナタウンにある ”ベトナム料理の店” でワンタン入りのヌードルを注文し、一気に平らげる。この手の料理には “臭いのきつい香草” が大量に入っている事が多く、普通はこの味を求めて食べに来るらしいのだが、今回のメニューにはほとんど入っていなかった為、この香草が苦手な自分にとってはラッキーでした。その上、お勘定もジョニーが持ってくれて、なお結構。その調子で夜のお勤めにも精を出し、開始30分ほどで、あっさり 4Deuces をGET。昨晩決めた、新しいマネーコントロールにより、その時点で終了。さて、このまま上手くいくかな・・・? 



7月29日(Tue) 第20日目

今日も2回のスクール研修を経て、ポーカーを叩きにPALMSへ。今晩はここで面白い光景を目にしたのでちょっと取り上げてみたいと思います。

それは、ダブルデックのブラックジャック30代後半くらいの男性が、何と$2,000を賭けてプレイしていたのです。$200ではなく、$2,000 (約24万円)。それも、ハイローラー用のテーブルではなく、一般のテーブル。どうやら、そのプレイヤーはとんでもないバカヅキ状態に入っていて、3ゲーム中2回は “21” になるか、そうでない時はディーラーがバストして、あっという間に$500のチップが10枚以上になり、最終的には$9,000 (約108万円)になった時、テーブルを離れました。

さすがにこの男性がゲームをしていた最中は、頻繁にピットボスへのコールが入り、酒に酔っていたせいもあり、「一度賭けたチップには触らないで」とか「カードを強く握り締めないで」などと、しばしば注意されていました。まぁ、賭け金が賭け金ですから、ハウス側がピリピリするのは仕方なし、と言ったところでしょうか。それよりも、そのプレイヤーが$1,000ベットの時に、12点からダブルを宣言した瞬間、周りのプレイヤーがいっせいに「アワアワ」したのには、少々笑えました。そりゃそうですよね。$1,000あれば何回ゲームができるのでしょう、と言うよりも、そのチップを持って帰れば十分です。 ちなみにその時の結果は、あっさりと “ハートの10” を引いて、即バストで終了。もしかしたら酔っていて、元の点数を “11点” と勘違いしたのかも・・・(笑)

最後に彼が台を離れた時、同じテーブルに着いていたプレイヤーから、「いくらから始めたの?」と聞かれると、$300から始めた」と言われ、全員仰天。これはさすがに、ラスベガスらしい光景でした。



7月30日(Wed) 第21日目
 いつも通り、朝10時頃に起床し、スクールへ行く準備をしていると、パートナーの石田君様子がいつもと違う。どうも体調がすこぶる悪く、部屋でずっと寝ている事に・・・。いつもは彼にスクールまで送迎をしてもらっていたのですが、今日は自分の運転でスクールへ行かなくてはなりません。出国前、念のために日本で “国際免許証” を取得しておいた甲斐があった訳ですが、肝心のアメリカでの運転は未経験。期せずして、記念すべき日となってしまいました。

恐る恐る、左ハンドルの車を動かす・・・。公道に入ろうと右折のウインカーをつけようと思ってレバーを動かしたら、いきなりワイパーが作動して、ビビった。ウインカーのレバーも左配置だったんですね。ハハハ・・・と、動揺する気持ちを尻目に、車はグングン進んでいきます。とはいえ、スクールまでの道のりは信号こそあれども、ほとんどが直線で、簡単なルートだったので、あっさりと到着してしまいました。

初運転の感想は、日本より車線が多く、道幅も広いアメリカの道路のほうが運転は楽なようです。強いて気をつけるべき点といえば、「片道一車線づつの道で右車線に入らないこと」と、「交差点によっては一番端のレーンは強制的に曲がる」ことに注意すれば良さそうです。

夕方前に石田君の様子を見に一度部屋に戻るも状況は変わらず、今日はカジノどころではなさそう。そこで、夜は車でPALMSまで行ってきました。小遣いもしっかりと稼ぎ、カフェで夕食を取って無事帰還。この頃には、石田君の体調も大分良くなっていました。



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