2003 LAS VEGAS ディーラー研修
第二週目



7月17日(Thu) 第8日目
 今日は午後からキソさんと一緒に古着屋めぐりをする約束をしていたので、その時間に合わせて一度部屋に戻る。しばらくして、キソさんが迎えにきて、いざ出発。

 最初に訪れたのは、日本にある古着屋と同じような造りの店。キソさんは早速、掘出し物の靴を見つけたようで、速攻で購入していました。次に行ったのは、いわゆるB級品や過剰在庫を安く販売している新古品の店。自分はここでポロシャツを購入。最後に行ったのはSAVERSという古着のスーパーマーケット。衣類だけではなく、本やビデオ、さらには電化製品のジャンクまで置いてありました。ここには、かなりたくさん商品が置いてあるので、じっくり探せば掘出し物が見つかるかも知れません。今日はここで、Tシャツを3枚GET。本来なら、もう一店ビンテージショップがあったのですが、時間がなかったので、こちらへ行くのはまたの機会となりました。

 夕方5時ごろにスクールへ戻り、ブラックジャックを中心に練習を行う。途中 Connieダブルダウンとスプリットのクラス(説明)をすると言うので、一応参加。もちろんルール的には全て分かっているので問題ない。ただ、若干配当の付け方に違いがあったので勉強になった。

 今夜はカジノへ繰り出さず、部屋にてのんびりと過ごす。




今回6週間の滞在をした部屋とベッドルーム


7月18日(Fri) 第9日目
 毎日スクールへの通学にはレンタカーで行くのですが、仲間の二人は研修を受けないので、決まった時間にスクールまで来てもらい、僕をピックアップしてもらう事になっています。ところが、今日はスクールへ迎えに来てもらう時間が少し遅かったので、聞いてみると、SAHARA (サハラ)ホテルのポーカールームで、たまたま日本人のプレイヤーと同卓し、話が弾んで「これから一緒に食事をしよう」という展開になったらしい。そこで急遽、自分もSAHARAへ直行。

 そこで会った彼の名前はノブさんといい、今まで各国のカジノでブラックジャックのカードカウンターとしてプロ生活をしていたそうです。ただ、カジノ側にもカードカウンターを追い出す権利があり、ルールの甘いカジノはほとんど締め出され、今回から新しく、「ポーカーで生活できないか」と実践をしにベガスへ単身乗り込んできた訳です。

 自分も実際にカウンターの方と直接、話をするのは初めてなので、色々と興味深い話を聞かせてもらいました。本当に勝ちに行くためには、ディーラーと一対一になるまで、ずっと席を待っていたり、毎ゲームごとに残りのカード数と種類を計算し、次回のベストな賭け金を一瞬で算出しなくてはならず、とても体力と神経を必要とするのだそうです。


ノブさんと一緒に

 約3時間の熱いトークはあっという間に過ぎ、夕方、スクールで練習再開。さすがに今日は金曜日ということで、生徒の数は少なく、少しさびしい雰囲気でした。しかしその分、先生から直接教えてもらえるチャンスが多く、言葉のハンデがある自分にとっては、狙い目の時間帯だと思いました。

 夜は三人でCIRCUS CIRCUS (サーカス・サーカス)ホテルへ。二人はもっぱらライブポーカーをするのですが、今回予算の少ない自分だけは、ビデオポーカーの良い台を探しに、近くのカジノを歩き回る。しかし、収穫はほとんど無く、足だけがヘトヘト。明日は土曜日でスクールは休みなので、オフストリップ(ストリップ通りから離れたカジノ)のPALMS (パームス)GOLD COAST (ゴールド・コースト)という、2つのカジノへ行く予定なので、こちらに期待しよう。


7月19日(Sat) 第10日目
 ディーラー研修最初の一週間が終わり、今日は休み。一般の方々はここいらへんで郊外へドライブでもしたりするのでしょうが、カジノバカ三人衆にはそのような選択肢は存在しません(爆)

 まずは、昼からGOLD COASTホテルのビンゴホールビンゴに挑戦。ビンゴは前回の滞在でもプレイしましたが、$5ほどの少ない予算でも1時間近く遊べる良心的なゲーム。しかし、いかんせん勝てる可能性は非常に少ないので、賞金を期待してはいけません。案の定、さしたる見せ場もなく、空しい一時間を過ごしてしまいました。っていうか、一回ぐらいリーチかかれよ(怒)

 さて、気を取り直して、次に向かったのはFlamingo Road (フラミンゴロード)をはさんで反対側にある、PALMSという2001年にできた比較的新しいカジノ。小奇麗な建物の中には若い人たちが圧倒的に多く、活気にあふれていました。なんでも聞いた話によると、このPALMS若くて裕福な顧客をターゲットにマーケティングされており、ディーラーをはじめとする従業員の年齢層も若いのだそうです。

 実はこのカジノ、マシンゲームのペイアウト(払戻し)率アベレージが高いことでも知られていて、いままで遊んでいたビデオポーカー、DEUCES WILDのフルペイマシンと呼ばれる、100%以上のペイアウトが可能な台を初めて拝むことができました。もちろん今日はこの台と心中を決め、8時間打ちっぱなしてきました。肩は痛くなったけど、200倍の 4Deuces を2回決め$300以上も稼ぎ出しました。しかし、本当の目的であるロイヤルフラッシュはまだまだ出なさそうなので、この台で地道に狙っていこう。


7月20日(Sun) 第11日目
 昨日、ようやく求めていたマシンに巡り合えたのですから、今日も一目散PALMSへ。いつ引けるか分からないロイヤルフラッシュに期待を寄せて、早速叩く。

 ところが開始30分早々であっさり 4Deuces が出現してしまい、いきなり$250のアドバンテージ。(25セント×5枚×200倍)これで一層ボタンを押す手にも気合が入る。しかし、その後は役らしい役も揃わず、そこそこ出現率の高い 4 Of A Kind (いわゆる4カード)すら姿を見せなくなってしまった。

 ここでアツくなる気持ちを抑え、$100浮きの時点でいったん休憩を取る。とはいえ、カジノの中に居てしまうと他のゲームがやりたくなってしまう(汗)ので、散歩がてら2軒となりにあるRIO (リオ)ホテルまで行く。ダウンタウン以外のホテルはどこも巨大で、「2軒となり」といっても、歩いて15分近くかかるのはいかにもアメリカらしい。昼下がりの強い日差しを受けて、黙々とFlamingo Roadを歩く。RIOを訪れるのは初めてなので、建物の中を一周し、コレクション用にと$1チップを貰いに行った。

 PALMSへ戻ってきた後は、気を取り直してまた、いつもの台を叩き始める。昨日がラッキーだったせいか、今日はさすがにそこまで調子が上がらず、苦戦を強いられたが、ようやく2回目の 4Deuces が成立し、何とか$200の浮きを残すことができた。約5,000回に1回出現するという 4Deuces が頻繁に出てきているから今は勝っているが、出てこなくなったらどうなるんだろう・・・。考えただけでかなり寒い


7月21日(Mon) 第12日目
 さて、今日から研修は二週目に突入。最後の卒業テストを受ける前に、各科目ごとに用意されている、3回のミニテストを終えなくてはならず、あらかじめ先に消化しておく事にしました。

 今日受けたのはルーレットのもので、全てペーパーテストです。テストの内容は配当計算チップのデノミと枚数換算2点がメインでそれほど難しくはなかったため、一気に3枚全てを終わらせた。できるのなら、もう覚えることがほとんど無いルーレットを先に修了して、新しく覚える内容が多いブラックジャックに専念できれば好都合なのだが、うまくいくかどうか・・・。

 お昼は先週、SAHARAでお会いした後藤さんと再会。去年の滞在で、石田君河野さんが現地で調達した、鍋や洗剤、時計、ハンガーなどの日用品を預かってもらっていたので、それらを引き取りました。

 16:00からは、3時間みっちりスクールでブラックジャックの猛練習。ピッチングのコツを掴んで浮かれていると、Connie に早速ダメ出しを食らう。まだ、手が力み過ぎていて、勢い任せにカードを扱っているようだ。

 スクールの後は夕食を取ってから、常連となりつつあるPALMSへ。3連勝ははさすがに厳しいのか、$200がたった一時間で溶けてしまい、負けムードが漂う。しかし、ビデオポーカーには ”ストラテジー” と呼ばれる最善手が存在し、その通りに打ちつづければ、絶対に負けることが無いことを頭に叩き込んでいたので、動揺はない。トイレに行き、ゆっくりとカジノを一周して、気分をリフレッシュし、最後の$100を投入する。一応、一日の投入限度額は$300と決めていたので、今日の勝負はこれが最後である。しかし、気分は変えても機械相手では流れなどなく、あっという間に残り$20になってしまった。ところが、ここで奇跡の起死回生 4Deuces がとうとう出現し、今までの負けをほとんど取り戻す。その後は順調にクレジットを増やし、最終的に$200強のプラス。

 結局、朝の5時まで、9時間も鬼打ちしてしまい、「明日(というか、すでに今日なのだが)のスクールは午後からに」と思っていたら、突然、レンタカーが急に動かなくなってしまうトラブルが発生。そのため、修理の関係で明日はどのみち休みになりそう。まぁ、少しでも小遣いが稼げるうちに稼いでおこう。


7月22日(Tue) 第13日目
 昨晩、動かなくなった車をレンタカー屋に持っていくため、仲間の二人は車が動かなくなったEXCALIBUR(エクスカリバー)ホテルの駐車場へ行き、自分は部屋にて待機することとなった。

 車は全くエンジンがかからず、レンタカー屋に問い合わせても、車をレンタカー屋まで持っていく手段を講じてはくれず(修理場所まではレンタカーでも自己負担)、結局、仕事上がりのキソさんを無理に呼んで、何とかバッテリーを一時的にチャージしてもらい、かろうじてレンタカー屋まで戻ることができました。結局、バッテリーのあがった車は使い物にならないので、代車を用意してもらうことになり、ようやく車で移動することができるようになりました。

 今晩の夕食は豪勢に焼肉チャイナタウンにある、コリアン・ガーデンという店へ行きました。メニューに写っている写真は、何だか量が少なさそうで不安でしたが、いざ現物が運ばれてくると、意外にボリュームがあってビックリ。どうやら、そんな心配は無用だったようです。付け合せのキムチなどの漬物も食べ放題で、満足のいくディナーとなりました。

 さぁ、食事の後は半ば出勤状態?と化してきたビデオポーカー。今日も4時間みっちりと打って、しっかり稼ぎを叩き出しました。それを見ていた河野さんが、「私もビデオポーカーに挑戦してみようかな」と言い出したので、部屋に戻ったあと、一時間ほど簡単にレクチャーする事になりました。というのも、彼女は仕事の都合でどうしても、次の日曜日に帰国しなければならず、今までライブポーカーでヤラれていた分を、少しでも取り返したいという訳です。

 はてさて、彼女の運命やいかに・・・


7月23日(Wed) 第14日目
 今日は昼過ぎからスクールへ行き、まずは2時間ほどルーレットの練習。手に持ったチップのスタックを決まった枚数で切り離す ”サイジング” と、複数のスタックを片手で動かす ”プッシング” を練習する。

 昼食は河野さんビデオポーカー挑戦真っ只中ということで、もちろんPALMSへ。ちょっと彼女の様子を見てみると、あっという間に$200負けてしまったらしく、かなり動揺していました。とにかく、このまま焦って叩いてもミスを生むだけなので、いったん息抜きをした後、再挑戦するように説得。

 昼食の後、自分も一緒にプレイするも、こちらもドハマリ$200のマイナスを食らってしまった。彼女はさっきよりは幾分調子が良くなったものの、クレジットが減らないだけで現状維持が精一杯のよう。何とか彼女の幸運を期待しつつ、スクールへ戻った。

 ブラックジャックの練習を終え、19:30にスクールへ迎えに来てもらった河野さんに、恐る恐る結果を聞いてみようと思ったその時、彼女が手元に持っていた小さな紙切れの包みを僕にくれると言ったので、その包みを開けた瞬間、何があったのか全て分かりました

 実は昨晩、彼女にレクチャーした後、「もしロイヤル引いたらコーチ料$10ちょうだい」と冗談で言っており、なんとそこにはその$10が入っていたのです。そう、彼女はあの後、見事にロイヤルフラッシュを完成させたのです。それも Dealt(デルト)(始めに配られた時点で完成) で・・・。

 結局、ゆうに30時間以上プレイしている自分を尻目に、たった3時間ほどでジャックポットを引いてしまう彼女は、一体何者なんだ!

 あの時、コーチ料$50って言っとけばよかった(爆) 



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