予選(序盤) | ||
2011年5月15日(日) 初夏の爽やかな風が心地よいこの季節に、毎年恒例の「全日本ポーカー選手権(All Japan Poker Championship:AJPC)」が実施されます。 今年で既に5年目となる本大会も、回数を重ねるごとに参加者数と競技レベルが上がり、年一回のお祭りともあって、多数のポーカープレイヤーが会場となる株式会社セガ本社(羽田)へ押し寄せます。 かくいう私もスクール卒業生が活躍する姿を見ながら自身の腕試しを兼ねて、日曜日の予選大会に出場してきましたので、その様子をレポートしたいと思います。 昨年までは出場予約をキャンセルした人の代わりに出場する「当日エントリー」で朝一から並んで会場入りしていましたが、今回は事前に申込予約をしていたため、開始時刻が12:00からと若干ゆっくり目のスケジュールを組めました。 また、今回の大会は地元北海道の友人も会場に駆けつけて挑戦するということもあり、お互いに好成績を残したいという意気込みもありました。 さて、本日の大会(トーナメント)は「予選」ということで、エントリー者を各50名のグループに分け、その各グループの中から上位5名に与えられる「本選への出場権」を懸けた戦いになります。 各人に与えられた「3,000点」の持ち点を入賞者だけで独占するまで続けられ、上位5名が決まった時点でゲームセットとなります(点数差は関係ありません)。 ポーカートーナメントの特徴は「チップを失わずに生き残ること」が最も大切で、無駄を省いた要所要所での戦いが肝になります。 序盤、A ![]() ![]() 最初のうちは「ブラインド・ベット」と呼ばれるプレイヤーの一部が強制的に支払う参加費の負担が軽いため、少量のチップでゲームに参加できるので、なるべくチャンスを活かしてチップを増やしておけば、中盤戦がグッと有利になるのです。 しかしながら、トーナメント最大のテーマである「生き残ること」は、ゆめゆめ忘れてはなりません。 あくまでも見切りをしっかりとつけ、深追いしないことが大切です。 そうこうしているうちに、私のテーブルのディーラーが交代となりました。 すると不思議なことに、今まで全く来なかった強力な手札があっさりと手元に舞い降ります。 それも最高位の「A,A」で、最初のビッグ・チャンスを迎えました。 実はそれまでにジワジワとチップを失っており、すでに半分程度の1,600点くらいしか持っていなかったため、ここはぜひ、全賭けの「オールイン」で一気にダブルアップ(2倍化)したいと思っていました。 アーリー・ポジション(行動順番の早い席次)の一人が300点にレイズ(吊り上げ)し、その後誰も勝負を受けないまま自分の番に。 ここは素直に900点にリレイズ(再レイズ)して、当人との一騎打ちに持ち込みます。 配られた3枚の場札(フロップ)は・・・ 「K, K, 3」 う〜ん、これはちょっとヤバイかな? もし、相手がキングを持っていたら(=スリーカード)ほぼ負けですので。 とはいえ、もう持ち点の半額以上突っ込んでしまったこともあり、相手にキングが無いことを祈りつつ、果敢に「オールイン!」 今年はココであっさり消えてしまうのか・・・ するとなぜか相手は急に長考を始めました!? ということは・・・ 実質私の勝ちですよ、勝ち! だって私はすでにオールインしているのだから、キングを持っていれば駆け引き無用ですぐに勝負に応じられるはず。 それができないという事は、「キング」や「3」は全く役に立っていないということです。 つまり現状では自分の「A,A」最強伝説です!! 結局長考の末に相手はこの賭けにコール(応じ)して勝負となりました。 何と、相手が持っていた手札は「Q,Q」だったのです。 自分:A,A(勝率92%) 相手:Q,Q(勝率8%) 場札:K,K,3(スーツは特に影響なし) 追加で配られた2枚の場札(ターン、リバー)にクイーンは現れず、とりあえず原点復帰になりました。 普通にプレイできそうな持ち点になってから十数分後、また手札に「A,A」が来てビックリ!! さきほど戦った「Q,Q」持ちのプレイヤーが、すでに最後の800点でオールインをした状態です。 しかし今回は、その金額にコールして800点を出しているプレイヤーが既に一人います。 さて、自分の順番が回ってきましたが、ココで二つのプランが出てきました・・・ プランA:素直にオールインで一度コールしたプレイヤーを追い払い、オールイン者だけとの一騎打ちで堅実に勝とう! プランB:そうそう「A,A」は入らないしポジション(行動順番)も後手で有利で、2対1でもここまで強い手札なら自分もコールに留めて強さを隠し、先にコールしたプレイヤーのチップも後から奪おう! さぁ、皆さんならどうしますか? 結局自分が選んだ手段はプランAの「オールイン」でした。 点数を増やして安全圏に入ることよりも、この一勝負をできるだけ確実に仕留めることを優先したのです。 案の定、先にコールしたプレイヤーは800点を置いたまま勝負から退き、オールイン者との一騎打ちになりました。 場札は特に目立ったものも無く、普通に勝つことができましたが、本当にこれがベストチョイスだったのでしょうか・・・? 大変気になる場面ですが、実はここでその答えが分かる一言が聞こえました。 800点を出したあとフォールド(降り)したプレイヤーが、「最後まで行ってればフラッシュだったよ」と・・・ 実は最初の場札(フロップ)に ![]() ![]() つまり、彼は ![]() もし自分がこの勝負を引っ張れば、最悪私のチップは全て彼に奪われていたでしょう・・・ 反対に考えれば、早い段階でこちらからオールインを仕掛け、相手に勝負から手を引いてもらうのが最善の手段だったということです。 相手に場札を見せれば、フラッシュ待ちで勝負する気になってしまうかも知れず、さらに最後まで残られた時にはこちらの負けが確定します。 その言葉を小耳に挟んで、ホッと胸をなでおろした後は順調にチップが増え、7,000点くらいで安定期に入りました。 中盤に続く・・・ ![]() 次に進む 目次へ戻る |
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