第1話 初カジノ
 私がはじめてカジノ(とはいっても街中のアミューズメントカジノバーですが)に行ったのは、'94年の夏でした。友人にけっこう好きな奴がいたので、誘われて行ったのが始まりです。

 その店にはルーレットブラックジャックが置いてありまして(今思えば、バカラやポーカーもあったような気がしますが)、そこで初めてカジノスタイルのブラックジャックを知りました。そこでは、仲間内でやるブラックジャック(のようなゲーム)とは違い、全てのプレイヤーはディーラーとのみ勝負をすることや、ディーラーは17点以上になるまでカードを引かなくてはいけない等のルールを知り、夢中になって覚えていきました。
 
 ところが、その店は2ヶ月ほどで
閉鎖してしまい、他のゲームを知ることができなくなってしまいました。友人はもう一つ店を知っていたのですが、そこはルーレットとブラックジャックしか置いていなかったので、ただ遊びに行くことだけしかできませんでした。そのかわり、本屋に行ってはカジノ関係の本を買いあさり、他のゲームの種類とルールを覚えることに専念しました。この頃から次第にカジノに対する興味と知識が深まっていったのです。


第2話 初海外
 初めて海外旅行に行ったのは'97年2月です。どこへ行ったのかって? 当然決まっているじゃないですか。砂漠の中のオアシス、ラスベガスですよ。実は、私をカジノバーに誘ってくれた友人と前々から「ベガスに行こう」と約束をしていたのであります。
 
 いやぁ、ただですら貧乏性?の私がこともあろうに海外旅行、それもラスベガスだなんて、緊張しないほうがおかしい。出発の前日はほぼ徹夜状態でした。そのうえ、飛行機は狭いのなんのって、当然寝られません。ようやく、乗り継ぎのためロスで3時間ほど休憩。
 
 のどが乾いていたので、マックでアイスティーを注文したのだが、これが異常にデカイ。また、日本で飲むそれとは違い、味が濃ゆい。のどを潤すつもりが、逆にのどが乾いてしまったぞ。さて、乗り継ぎの飛行機に搭乗し、ベガスに向けて最後のフライトはとても素晴らしかった。飛行機の窓から見下ろす大都市ロスから次第しだいに砂漠に近づき、いつの間にか一本の道路だけになっていました。そして、離陸から1時間後、何も無い砂漠にぽつぽつと家が見えるようになってきました。いよいよラスベガスに着くんだな、と食い入るように窓を覗いていたのを覚えています。その直後、私の目に飛び込んできたのは、本やテレビで見たあの映像そのものがありました。ピラミッドや城が砂漠の中から突然あらわれたのです。つい5分前までは砂漠しかなかった所に…。それから一週間、私はカジノで遊ぶことよりも、毎日ホテル巡りばかりしてしまいました。ということで、スロットで大当たりを引くこともなく、無事?に帰国したのでありました。


第3話 カジノ マカオ編
 アジアでカジノが盛んな所といえば、やはりマカオ。香港からシーバスで1時間弱、私はマカオでもカジノが一番大きいといわれている、「リスボア・ホテル・カジノ」に行ってまいりました。

 さてさて、アジアの博打打ちはどんなもんかな? と見ていると、なんとまぁ凄いこと、私と同じ位の若造が、1000香港ドル(日本円で17,000円ぐらい)のチップをポンポン張るではないですか。さらに、私は「大小」という3個のサイコロの出目を予想するゲームで遊んでいて、「小」が5・6回連続で出た時、通りがかりのオッサンがいきなり、札束をドン!と「大」の枠に置いていきました。金額は不明でしたが、次も「小」が出て、そのオッサンはスタコラサッサと別の台に行ってしまいました。なんちゅう所じゃ! 恐るべしマカオ。そこはまさに賭場そのものでした。
 
 ここでもう一つ、ディーラーにとんでもない奴がいたので、ここで書き記しておきましょう。そのディーラーは60近いババァで「高貴であるはずの紫色の制服がこんなにも下品に見えるか」という感じのババァでした。そのババァは私が遊んでいた「大小」のディーラーで、私は遠くにある「小」の枠に張るつもりで、チップを滑らせたのですが、勢いあまって賭け枠から飛び出してしまいました。その瞬間、ババァは私に「ダメ!・ダメ!・ダメ!」と唯一知っているであろう日本語で怒鳴ってきました。まぁこれは私が悪かったので、謝って(というか言葉が通じないので、謝ったそぶり)その場は終わったのだが、なんとそのババァそれからしばらくして、突然、鏡を取り出し口紅を塗り始め出しました。「おいおい、客がたくさんいる前でそりゃねーだろ」と呆れてしまいました。「恐ろしい」というより「凄まじい」マカオのカジノ体験でした。


第4話 カジノ オーストラリア編
  オーストラリアもカジノがけっこう盛んです。海外では「観光にカジノはつきもの」という発想が定着しています。私はシドニーにある「スターシティ」というカジノに行きました。

 スロットマシンを皮切りに、ルーレット、大小などさまざまなゲームをやったのですが、いかんせん全然当らない。最後にブラックジャックで相乗り(すでに賭けてある人と同じ枠に賭けて、その人の判断にまかせてゲームを行うこと)をして、かろうじて半分くらい取り戻しました。結局その日は「自分でゲームをするな」ということだったのでしょうか?
 
 余談ですが、オーストラリアのカジノにだけ存在する「ツーアップ」というゲームがあるので、少しだけ触れてみたいと思います。このゲームは代表のプレイヤーがしゃもじのようなヘラにコインを2つ乗せて上に飛ばし、そのコインが両方とも表か裏のとき勝負がつくゲームです。表裏がばらばらだった時はやり直しですが、何回かこれをやってしまうと投げ手は失格になってしまいます。また、ゾロ目を5回連続で出すと30倍の配当が投げ手に付くというボーナスルールもあるみたいです。実際に遊んではいないので詳しいことは分からないのですが、オージーは盛り上がっていましたよ。


第5話 カジノ ニュージーランド編
 ニュージーランドの北に位置するオークランドには「スカイタワー」という街のシンボルともいえる所があり、その2階(だったような気がする)に「スカイシティ」というカジノがあります。

 そこのカジノは珍しいことに、「カジノ内の写真撮影がOK」というのです。ところが、運悪く私はカメラを持っていなかったので、なくなく諦めるはめになってしまいました。これは今でも悔やんでいます。肝心のカジノですが、ちょっと照明が暗かったのが気になりましたが、広さも充分でレートもBJが$5(日本円で300円位)からと、小額でも長く遊べるカジノといえるでしょう。

 この日はルーレットを少しと、BJをメインにプレイしました。ルーレットではディーラーが新人だったらしく、投げるボールがスッポ抜けて、すぐに落ちそうになり、「ボールが落ちそうだから、早く賭けろ」などと急かされることもありました。そして、BJ。スリルを味わうために敢えてラストボックスに座り、他のプレイヤーの目を気にしながらの勝負になりました。はじめはかなり負けていましたが、途中からディーラーと互角の勝負ができ、トータルでゼロという結果でした。私の中では「ゼロは勝ち」と勝手に思いこんでますので、今回は勝ったという事にしておきませう。


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