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COPAG(コパッグ、コーパッグ)はブラジル、サンパウロ生まれのカードメーカーで、
今から100年以上前の1908年に設立されました。
当初は輸入業を行う会社でしたが、10年後の1918年よりプレイング・カードの製造が始まりました。

COPAGは約一世紀の間、一流プレイヤーのニーズに応えるべく、
滑らかさと柔らかさに加え、耐久性を兼ね備えた高品質のカードを供給していました。

そんなCOPAGが世界中で広く認知されたのは、
2005〜06年の「ポーカー世界選手権(WSOP:ワールド・シリーズ・オブ・ポーカー)」で
公式カードとして採用されたことでしょう。

賞金総額が10億円を超える大会で、円滑かつ公正にゲームを行うために必要な条件を
COPAGは満たしていることが証明されたのです。

また日本国内で実施されている、「全日本ポーカー選手権(AJPC)」でもCOPAGが公式採用され、
国内のポーカープレイヤーからも注目を集めています。


 カードのタイプと特徴
 まず最初に、プレイング・カード(トランプ)のタイプと特徴について解説します。
各種メーカーにより、カードの大きさや素材、プリントの違いなど、多数のタイプが存在します。

1.カードの材質

 カジノで用いられるカードには、プラスチック・コーティングを施した
「紙製」と完全な「プラスチック製」のものがあり、用途によってそれぞれを使い分けています。
 紙製はコストが安く、傷が目立ちづらいといった特徴があるため、ブラックジャックやバカラなどのゲームで採用されています。
 反対にプラスチック製はコストが高く、一度傷が付くと跡が残りやすいのですが、高い耐久性があるため、ポーカーのようにプレイヤーが何度もカードに触れるゲームに適しています。

2.カードのサイズ
 カードの大きさは世界的な基準として、縦3.5インチ×横2.5インチ(89mm×63mm)の
「ポーカー・サイズ」と、縦3.5インチ×横2.25インチ(89mm×57mm)の「ブリッジ・サイズ」があります。

3.カードの縁(ふち)
 カード裏面のプリントは「外周が白く縁取りされているもの」と、「全面に模様がプリントされているもの」に分かれます。外周が白いタイプは、傷や汚れをわざと目立たせて不正を防止し、全面プリントのものは、細かい傷が認識しづらいようになっています。
 傾向としては、プレイヤー同士で勝負を行うゲームでは、誰にでも汚れが発見できるようなプリントが好まれ、ディーラーと対戦する形式のゲームでは、傷が目立たないようなデザインが用いられます。

  
縁あり、ブリッジ・サイズ (赤)縁なし、ポーカー・サイズ

4.インデックスの大きさ
 カードの角にプリントされているインデックスの大きさは、標準的なサイズの
「レギュラー・インデックス」と巨大なサイズの「ジャンボ・インデックス」に大別されます。
 その他にもメーカーによって、ポーカー専用に開発された
「ポーカー・ピーク」と呼ばれる、カードの四隅に小さくプリントされたものや、弱視者向けの「マグナム・インデックス」「ロー・ビジョン」といったラインナップもあります。

  (左)レギュラー・インデックス (右)ジャンボ・インデックス

5.インデックスの数
 通常のプレイング・カードは、左上と右下の2ヵ所にインデックスがプリントされている
「2 ピップ」ですが、利き腕が逆のプレイヤーにも対応するため、インデックスを四隅に打ち込んだ「4 ピップ」のものもあります。

  (左)2ピップ (右)4ピップ


 COPAGがなぜ優れているのか?
 では続いて、COPAGのカードが、なぜそこまで優れているのか?
その理由は以下の通りです。

  最もスタンダードな ”1546” モデル

1.100%プラスチックのカードである

  紙製のカードのように手の汗を含んで膨張することがありません。
  また、耐久性の高い素材であるため、繰り返しての使用に向いています。
   ※カードに汗が付くと、ゴミなどの異物が付着しやすくなり、結果的にカードの滑りが悪くなります。

2.柔らかく、しなりに強い
  カードを曲げても反り跡が残らず、多少の力では折れたり、傷が付いたりしません。
   ※特にポーカーでは、カードの角(インデックス部分)だけを何度も繰り返し曲げるため、プラスチックでも適度な柔らかさが必要になります。
  (左)COPAG (右)紙製カード

3.付着した汚れを拭き取れる
  カードにゴミなどの軽い汚れが付いても、水拭きをするだけで簡単に汚れが落とせます。
   ※カードの汚れや傷は、カードの裏から中身を見抜く不正に繋がるため、常に気を使わなければなりません。

4.カード同士の滑りが良い
  カード表面に細かな凹凸が施され、カード間に空気が入りやすく、一枚一枚が扱いやすくなっています。
   ※ゲームを進行するディーラーの労力負担を減らし、ゲームの回転率を上げることができます。

《まとめ》
 プラスチック製のカードは、幾多のメーカーが製造・販売をしていますが、カードの柔らかさや滑らかさ、シャッフルのしやすさなど、テーブルで最も長時間カードを扱うディーラーの立場として必要なクオリティをCOPAGはバランス良く備えていると言えるでしょう

  
ポーカーディーラーのサンプル動画(Media player 対応)



 COPAGとの出会い
 私がCOPAGを見つけ、初めて手にした時の思い出です。
与太話ですので、お暇な方だけ読んでください・・・(笑)

 ・・・COPAGのカードを最初に見たのは、海外のカジノ用品店のカタログでした。
 カジノスクールの運営上、定期的にカジノ用品を海外から仕入れるために何気なく見ていた気がします。

 ポーカーでは通常のカジノカード(プラスチック・コーティングされた紙製)は使われず、プラスチック100%のカードが採用されていることは知っており、ラスベガスのカジノで主に使われている「KEM(ケム)」というブランドのカードをコレクションとして所有していました。

 KEMはセルロース・アセテート(酢酸セルロース)と呼ばれる繊維から、カードを生産する唯一の会社であり、現在もトップクラスのカードメーカーであるものの、使用後の保管を厳重に行わなければ、カードが反り上がってしまい、急激に品質が低下してしまう弱点がありました。

 これは私の経験則ですが、ラスベガスなどの乾燥地帯と異なり、日本のような湿気の多い土地では空気中の水分がカードの劣化を早めているのだと思います。

 そんなことから、KEMのカードは開封するのがもったいなく、カタログでふと目にしたCOPAGを試しに購入してみようと思い立ったわけです。

 KEMに比べるとカタログ内の取り扱いスペースも小さく、価格もそれに比例していたため、所詮その程度の物だろうと、正直品質には期待を持っていませんでした・・・

 注文して数週間後、他のカジノ用品と一緒にCOPAGが届き、早速開封して手に取ってみると、それまでの思い込みが偏見であったことを知らされました。

 プラスチックらしからぬ紙のような手触りと柔らかさを持ち、室内に置いたままでも、湿気でカードが反り上がることもなく、またカードの滑りが悪くなったら、濡れたタオルで拭いてあげるだけで、また元のようなコンディションに蘇るのです。

 「こんなにクオリティの高いカードがあったのか」という衝撃は、カジノの職業に就いて11年目にして初めての出来事でした。その勢いで2ヵ月後には米国の業者より個人輸入を行い、友人や知り合いなど、本物が分かる方々へCOPAGを譲るようになりました。

 もうすでに、あれから1年以上経ちましたが、周りでCOPAGを使っていくれている方々を見るたびに、海外のリアルカジノでプレイされている白熱のシーンが思い起こされ、胸が躍るのです。


COAPGお譲りします
 この度、自身が惚れたCOPAGを海外より個人輸入いたしました。

 もし、実際にCOPAGを手にされたい方がいらっしゃいましたら、カジノグッズのコーナーよりお譲り致しますので、ぜひ一度お立ち寄りください。