カジノコラム


よく「賭け事はその人の性格が良く表れる」といいますが、
カジノも例にもれず、それが当てはまります。

私はディーラーとして勤めている時とプレイヤーとして楽しむ時の2つを経験しているせいか、
カジノに対して「冷静」に捉えることができるように思えます。
しかし同時に、カジノで思いっきり「熱く」なることが、少なくなってきたのも事実です。
カジノが好きなのは昔から変わらないのですが、ディーラーを経験することによって、
「接し方」が変わってきました。

分かりやすく言えば、「多少の勝ち負けに流されずゲームができる代わりに、
運否天賦な大勝負をする機会はなくなった」といった所でしょうか。

さて、ここでは私の主眼ではありますが、「プレイヤーの賭け方と性格について」と
「賭け方のシステム」について取り上げてみたいと思います。




 賭け方と性格
 まず、プレイヤーの賭け方についてですが、大きく分けて2通りあります。

 その基準は当たり前のようですが「平均的な賭け金が多いか少ないか」です。
賭け金の少ないプレイヤーは「勝つことよりも長く遊ぶ事を主眼に置いているケースが最も多く、「ゲームに慣れていない」「様子を見ている」といった理由も考えられます。
もちろん「様子見」のプレイヤーは突然、高額の賭けを行なう場合があります。
逆に賭け金の多いプレイヤーは「大きく勝ちたい」「ギャンブルを堪能したい」「目立って周りの気を引きたい」「負けを取り返したい」など考えはさまざまです。

 さて、それでは実際に勝つ可能性が高いのはどちらでしょうか?
ディーラーの経験から見ると、やはり後者の「大賭け」タイプの方が勝つ可能性は高いといえます。ただし、勝ち負けの波が荒くなるだけなので、負けた時の痛手も非常に大きくなります。
対して小額の賭けは、続けても大負けはないですが、時間に比例して確実に手元のチップは少なくなっていきます。
どうしても勝ちを得たいのでしたら、どこかで「大きく賭け」なくてはならないと肝に銘じておくべきでしょう。

 では、どこで「大きく賭ける」のが良いのでしょうか?
それは次の「賭け方のシステム」でふれてみたいと思います。



 負けを取り返すシステム
 一般的に有名なギャンブルの必勝法として「負けた時に前回の賭け金の2倍を賭けるという方法がよくあります。

 このシステムは「マーチンゲール法」と呼ばれ、どんなに連敗していても、今までの負け額全てを次回の勝負に賭け、当たるまで続けるというものです。
「ルーレットの赤黒」のように等倍返しの賭けによく使われ、この方法は、いつかは当たる賭けならば「完全無欠の必勝法」といえます。

 ただし、これは机上の話で、実際は最も「危険な賭け方」となります。
まず、根本的にこの戦法には大きな問題点があります。

 それは・・・「手持ちの賭け金がなくなったら終了」してしまうことです。
はじめは「$10」の賭けでも、10連敗すれば「$10,230の損失」になります。
カジノに関わらず、二者択一の賭けで10連敗することは確かに珍しいことではありますが、皆さんが考えている以上に起こっている現象です。(もちろん逆の10連勝も)

 そのうえ、10連敗後の次の賭け額は「$10,240」で、仮にここでようやく勝てたとしても、儲けになるのはたった「$10」だけです。
「$10」のためだけに「$10,000」以上賭けなくてはならないなんて割に合いませんよね。

 では、「私はたっぷり資金があるから」と思っている方は大丈夫なのでしょうか?
残念ながら、カジノが定めたマキシマム(賭金上限)に引っかかってしまい、完全に実現することは不可能なのです。
カジノはこのような戦法があることを当然熟知していますし、各テーブルにミニマムがあるのですから、その反対のマキシマムがあるのも自然といえます。

 結局のところ、この戦法は小さく儲けて、ごく稀に今までの儲け以上の損失をすることがある」ということです。
毎日$10ずつ勝っていても、一年に一度のペースで$3650負ける時があるということです。
運が悪いと開始一週間この負けが起きるかもしれません。

 ということで、現在この戦法は必勝法ではなく「必敗法」としての地位を確立しつつあります。


勝ちを増幅させるシステム
 では逆に、負けた時ではなく、勝った時に賭け金を2倍にするのはどうでしょうか?
このような戦法は先程の「マーチンゲール法」に比べて、非常にリスクの少ない戦法となります。
何せ次の勝負で負けても、損失は1回分だけですし、もしも運良く勝ち続ければ1→2→4→8・・・と、どんどん利益が増えていきます。
とはいっても、いつかは負けてしまうでしょうから、目標額に達したら終わらせましょう。

 この戦法の短所は、「勝ち負けが繰り返されている時には確実に手元の持ち金が減っていくという事です。
でも、一気に減っていくことはありえないので、安心して実行できます。

 この戦法は「パーレイ法」と呼ばれ、「大きな利益を得るために、少しづつ投資をしていく」方法です。
大きな当たりはなかなか来ないので、辛抱が必要ですが、リスクが低くおすすめです。
ただし、ゲームの控除率は頭に入れておいて下さい。
控除率が高すぎると(例えば宝くじなど)いつまで経っても当たらないで、
投資以上の配当が期待できなくなる事があります。(例え一億円でも)


 座右の銘?
 最後に私個人の見解ではありますが、このような考えをもっております。

「ギャンブルで1億円勝ちたければ、タネ銭を1億円用意しろ」

 1万円が1億円になることを考えてしまっては、ハウス(胴元)の思う壺です。
例え1億当たっても、本来は2億もらうべき確率の低さかもしれません。
これでは半分の1億を用意しても、当たらないかも知れないのです。
自分の持ち金をわきまえて、プレイしましょう。