緊急特集"007 カジノ・ロワイヤル"



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2006年12月1日より日本で公開されている映画、007の最新作「カジノ・ロワイヤル」は、
原作で行われていたバカラによる勝負ではなく、
テキサス・ホールデムと呼ばれるポーカーでの戦いとなっています。

実は今回の映画では、現在私が勤めている日本カジノスクールで日本語字幕の作成を手伝っており、
実際に劇場で映画を見ても、ポーカーのシーンが相応に長いため、ゲームのルールを全く知らないと、
肝心の駆け引きや緊迫感が十分に伝わらず、ストーリーを満喫できない可能性があります。

そこで今回、特別に押さえておきたいポーカー用語をいくつか紹介いたしますので、
ポーカーのルールに自信の無い方は、ぜひこの機会に覚えてみてはいかがでしょうか。


 1.テキサス・ホールデム (Texas Hold'em)
 現在、世界で最も多くプレイされ、一番の人気を誇るポーカー種目。
 
 ルールはポーカー手役を知っていればさほど難しくなく、各人に配られる"2枚の手札"と、テーブル中央に開示される"5枚の全員共通の持ち札"(コミュニティ・カードと呼ばれる)の計7枚のカードの中で最も強い役を作ることができる"5枚の札"を所持していた人が勝ちとなる。

 ただし、手札を比較する(ショウ・ダウンという)のはゲームの最終段階であり、ショウ・ダウンまでの途中に行われる計4回の"賭け"の場面で、相手が提示した賭け金を受けないと次のラウンドに進出できず、結果的に弱い札を持っていた人でも、賭け方によって本来の勝者をゲームから降ろし、勝負に勝つこともできる


 つまり、時と場合によっては、ブラフ(こけおどし、ハッタリの意味)を用いて勝負を制することができるため、心理的な要素を多く含むゲームであるとされる。


《テキサス・ホールデムの進行例》
 1.最初に、各人へ2枚の手札が伏せて配られる。[サンプル画像]
 2.この時点で賭けが行われ、提示された賭け金を出した者だけが次に進む。
 3.続いて、参加者全員の共有札として3枚(フロップ)が中央に開示される。[サンプル画像]
 4.再度賭けが行われ(2ラウンド目)、賭けに応じた者だけが次に進む。
 5.今度は、1枚のカード(ターン)が共有札として開示される。[サンプル画像]
 6.また、ここで賭けが行われ(3ラウンド目)、賭けに応じた者だけが次に進む。
 7.さらに、もう1枚のカード(リバー)が共有札として開示される。[サンプル画像]
 8.ここで最後の4ラウンド目の賭けが行われる。
 9.最後の賭けを行っても二名以上が残っていた場合は、手役の強弱で決着をつける。[サンプル画像]



 2.ポーカー・ハンド (Poker Hands)
 ポーカーは5枚のトランプカードがある一定の条件を満たして揃った時に手役(ポーカーハンド)として認められ、その手役のランクが最も高い人が勝者となる

 手役は弱い順に・・・ [クリックで写真表示]
  a.ワンペア(One Pair)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数字のペア1組
  b.ツーペア(Two Pair)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数字のペア2組
  c.スリー・オブ・ア・カインド(Three of a Kind)・・・・同数字の3枚揃い
  d.ストレート(Straight)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数字が5連続で階段状に並ぶ
  e.フラッシュ(Flush)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・同じ柄の5枚揃い
  f.フルハウス(Full House)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・同数字3枚+別数字のペア1組
  g.フォー・オブ・ア・カインド(Four of a Kind)・・・・・同数字の4枚揃い
  h.ストレート・フラッシュ(Straight Flush)・・・・・・・・数字が5連続で並び、柄も全て一緒
  i.ロイヤル・フラッシュ(Royal Flush)・・・・・・・・・・・"A-K-Q-J-10"のストレート・フラッシュ

 なお、いずれの手役にも該当しない場合はノーペア/ハイカード(No Pair/High Card)となり、最低の手と見なされる。
 また、同ランクの手役が2名以上に発生した場合、より高位の札を持っていた人が勝者となる。("A"が最も強く、以下 "K-Q-J-10-9-8-7-6-5-4-3-2"の順)


 3.テーブル・ステークス (Table Stakes)
 通常カジノで行われるポーカーは、参加者がテーブル上に保有するカジノチップの額面の範囲までしか賭けることができないという取り決めがあり、それをテーブル・ステークスと呼ぶ。

 つまり、$10分のチップしか持っていない時に素晴らしい手役に恵まれても、その回のゲームでは財布から現金を取り出して勝負することが許されていない。 それを許すと、金持ちが賭け金の高さだけで相手を降ろしてしまって勝負にならないため、顧客の賭け金上限を設け、安心してプレイできるようにしている。


 4.ブラインド (Blinds)
 テキサス・ホールデムでは毎回、ゲーム参加者のうちの2名が、"ブラインド"と呼ばれる強制的な賭け金の提示を行う

 金額はテーブルにより様々だが、小額を提示する"スモール・ブラインド"と、高額を提示する"ビッグ・ブラインド"があり、それぞれ所定の額面を出す。なお、ブラインドの担当は1ゲームごとに時計回りに移動する。


 5.ベット(Bet)、コール(Call)、レイズ(Raise)、
チェック(Check)、フォールド(Fold)
 テキサス・ホールデムだけでなく、ポーカーはゲーム進行中に、何度かの"賭けの場面"(べティング・ラウンド) があり、そこでプレイヤーが賭け金を提示し合い、賭け金を出せない(出したくない)プレイヤーはゲームから撤退しなければならない。

 以下が、その"賭け場面"で用いられる作戦の名称と内容である。

 a.ベット(賭ける)・・・・・・・・・ある賭け金を最初に提示する行為で、相手がその賭け金に応じられるかを問うこと

 b.コール(応じる)・・・・・・・・・相手に提示された賭け金と同額を出し、賭けに応じること

 c.レイズ(せり上げ)・・・・・・・相手が提示した賭け金よりもさらに高い賭け金を提示し、せり上げること

 d.チェック(様子見る)・・・・・賭け金を提示できる時に賭けを行わず、ベットの権利を次の人に回すこと

 e.フォールド(撤退する)・・・今まで出した賭け金を全て放棄し、その回のゲームから撤退すること


 6.オールイン (All-in)
 手持ちのチップ全てを一度に賭けて勝負を行う行為。

 その激しい行為から、通常は発声だけで周りの参加者をゲームから降ろすことになるが、一人でもコールして賭けに応じる人が現れた場合、一転して最終局面になり得るリスクの大きい作戦。


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