in LAS VEGAS

第4章 ラストナイト
2001年2月21日 水曜日(現地時間)

 朝、目を覚ましたのは7時半頃。「あれ、アイツがいない」。「さては朝からやってるな」と思い、のんびりと風呂に入り、昨晩買った食料を朝食代わりに食べていると、ちょうど帰ってきました。
 「どうだった?」と聞いてみると、「やっぱマンダレイは勝てないわ〜」という。どうも、朝の4時頃からカジノに繰り出し、一発
$300ハイローラー用バカラルーム一回勝負を仕掛けて、見事爆死したらしい。(プレイヤーにベットして、7−4でバンカーだったという)そのうえ、他のゲームでも負けて、結局今まで”マンダ”では一度もチップをキャッシャーに持っていって換金していないのです。他のカジノでは負け知らずなのに・・・。恐るべし、”マンダレイ・ベイ”
 ちなみに彼の話によると、ここで大負けした後、”ラクソー”と”エクスカリバー”に行き、”エクスカリバー”スロットで当たりBJも勝ちを収め、先ほどの負けの
半分は取り返したとのことです。
 ということで、今日のラストナイトは満場一致で”エクスカリバー”にて過ごすことと相成りました。
 数多くあるカジノの中には高級感を売り物にしている所と、庶民的な雰囲気を前に出す所とをホテルのコンセプトによって変えていますが、自分と比較的相性がいい”エクスカリバー”は明らかにファミリー指向の後者のタイプのホテルです。愛想の良いディーラーが多く、個人的にはとても気に入っています。(ちょっと褒め過ぎか?)

 今日がラスベガスで過ごす最終日なので、お互い
自由行動。私は歩いて(結構歩き好きなのだ)、”マンダレイ・ベイ”から”ベネチアン”まで、ストリップを往復してきました。(片道約3.5km)
 部屋に戻ってきたのは午後2時頃。テーブルにはパンらしき物が置いてあり、「良かったらどうぞ」と”Oくん”の差し入れがありました。彼は一度ここに戻ってきて、また繰り出した模様です。ありがたくクロワッサンを2つばかり頂戴し、今晩は 「夕方6時に部屋で」と待ち合わせを決めていたので、6時まで仮眠をとることにしました。
ミラージュの前で
 
 午後6時過ぎ起床。寝ていた”Oくん”を起こし、夕食へ。お互い寝起きのせいか、今ひとつ食欲がない。今日の話をすると、どうやら彼は初めに宿泊を希望していた”パリス(ホテル)”へ行っていたとの事。スロットマシンとバカラをし、
バカラでまた勝ったらしい。部屋にあったパンはそこで買ってきた物だということです。
 食事が終わり、部屋に戻って小休止。すぐ、チェックアウトできるように荷物を全てまとめて、
いざカジノへ
 私は普段カジノ行くときは、”遊び”と割り切って行くことが多いので、そんなに勝つことはないのですが、今回は珍しく「必ず勝って帰る」と心に決めていましたので、ちょっと
ピリピリしてました。
パリスのエッフェル塔

 トラムに乗って、いよいよ最後の戦地”エクスカリバー”へ。まず始めに一緒にBJをやろうと話していたので、誰も座っていない6deckのテーブルに着きました。自分はラストボックス、”Oくん”はその一つ手前に陣取りました。
 初めは非常に調子が良かった。BJこそ入らなくても、ディーラーカード”6”の状態で自分の”8&8”
スプリット。一つ目”6”が来て”14”、ディーラーの「バスト」が期待できるため、ここはステイ。二つ目に”2”が来て合計”10”、スプリット&ダブルOKなので、一気呵成にダブル。見事”絵札”が来て”20”。ディーラーは裏”絵札”で次にも”絵札”を引き、あっさり「バスト」。こんな感じに展開し、あっという間に持ちチップが倍になりました。
 しかし、パートナーの調子が今ひとつで、どうもダブルの時に大きいカードが引けない。$25単位で賭けているので、手持ちのチップがいつの間にか無くなってしまいました。
 
 だが彼は、ここで黙っているような
”キャラ”ではありません。財布から$100取り出し、チェンジするかと思いきや、「マネープレイ」と言いだし、一発$100の勝負をすることになりました。その時の彼のハンドは二枚で”9”、ディーラーの札は”4”(だったと思う)。これをチャンスと見たのか、財布からさらに$100取り出し、「ダブル」を宣言。「なに〜っ」。周りのプレイヤー全員の視線を集めて配られたカードは・・・なんと”5”こりゃやられたか? 私のハンドは17以上でステイ。
 いよいよディーラーオープン。裏のカードは・・・”5”で合計”9”。さすがに私も「終わったか・・・」と思っていると、ここからカードのいたずらが始まったのです。一枚目に引いたのは”2”で合計”11”「最悪!」と思っていると、なんと次のカードが”10”ではなく、”5”。一気にもっとも不利な”16”となり、周りからの「バスト」コールが届いたのか、その後に”絵札”が入り、
結局”26”でバストしてしまったのです。
 一気に$25のグリーンのチップを8枚手にし、本人、「してやったり」の表情。周りのプレイヤーは半ば、
”あきれ顔”。結局、そのままゲームを続けました。

 しばらくして、パートナーは途中で台移動し、私はBJを続けましたが、この辺りから自分の運気にかげりが見え始めてきました。「カードを引いても引かなくても負け」とか、「ダブルをすると小さいカードしか来ないうえ、ディーラーがバストしない」などという展開になり、少々イライラしてきたので、そう思った直後のディーラーチェンジを機に
台を離れました。
 結局、このBJで勝ったのはたった$20。精神を落ち着けるため、「一時間は台に着かない」と決め、2・30分ほどカジノ内をウロウロしていました。
 実はこの時、「最後にバカラで勝負しよう」と考えていた
(当然ミニですよ)のですが、この後予定が大きく変わることになろうとは思ってもいませんでした。

 同じ所を歩いてもヒマなだけ。そのうえアイツも見当たらない。「ヒマつぶしにでも、スロットでもやろうか」と思い、負けても痛くない”5¢”のマシンに先ほど浮いた$20を入れ、遊んでいました。
 遊んでいたマシンは”ダブル・ダイヤモンド”(以降、DD)というやつで、
”DD”が3つ中央列に揃えば大当たりとなる台です。また、”DD”のシンボルが他のシンボルと並んだときは、「オールマイティ」となり、なおかつその時の配当が2倍になるという(ちなみに”DD”二つの時は4倍)、いまアメリカで流行っている「5 TIMES PAY」とか「10 TIMES PAY」などの倍率アップスタイルの走りとなった台といえるでしょう。
 暇つぶしなのだから、のんびりと遊んでいました。いつもの通り、あいもかわらず大きな当たりが出る気配もなく、コインは徐々に減っていきました。
これは空港のスロット

 「まっ、これを無くしてからが本番だな」と思いつつ、BETボタンを押していたのですが、急にこんな当たりが出ました。
”DD””ブランク(空白)”でハズレ確定。と思いきや、最後に”チェリー”が出て、”チェリー””DD”で配当がついちゃいました。(”チェリー”は一つでも出れば配当が付き、この場合オールマイティの”DD”があるので、チェリー2つ分の配当×2倍の配当が付きます)
 これを機に急に
「ヤル気」が出、ポンポンとボタンを押していると、突然なんの前ぶれもなく、”DD”-”DD”二つ揃いリーチを確認する間もなくあっさりと3つ目の”DD”が並んでしまったのです。アワアワ。
 配当表を見ると、この場合の配当は・・・
ごっ、ごせんまい。そう、5枚のMAX BETで賭けていたので、配当はこの台の最高枚数5000枚になってしまいました。
 しか〜し、よく考えてみるとこのマシンって確か
”5¢”だったよな、ということは計算すると・・・、な〜んだ$250じゃん。って結構いい金額だよね、25¢しか賭けていないんだから・・・。
 それよりも、「クレジットメーターが1枚ずつ増えているぞ」、ということで15分ほどメーターに5000枚が加算されるまで、じっと待っているのが大変でした。
 ようやくメーターの加算が終わり、係員を呼んで、マシンのリセットと残クレジットの換金をしてもらいました。マシンの中にはノートが入っていて、大当たりが出た日付のメモをとっていました。そしてもう一人の”CHANGE”のワゴンのおばちゃんから、
配当$255(始めから残っていた100枚を含む)をいただきました。さすがにこの時は気前よく、二人の従業員に$5ずつティップを渡し、台を後にしました。スロットって当たれば大きいですね。初めて実感しました。うれし〜っ

 その後、”Oくん”を見つけて、この時ばかりは私の自慢話。「すごいですね〜」と快く?聞いてくれました。
 私はこの当たりで、一気にプラスに転じ、打ち止めモードに入りつつありました。
 そこで、次はのんびりと
キノをすることにしました。可能性は低いけど、当たれば$1が$10000になることもあるという強力なゲーム。選択する数の総数で倍率が変わるので、私は堅実な5カ所位を選択して遊びました。ここで、”Oくん”は「オール・オア・ナッシング」というルールのキノを選択し、一攫千金を狙いました。(ちなみに、4カ所チェックで全てHITすれば$5が$1000になる) しかし、「ナッシング」の方ばっかりで時間も押し迫り、引き上げるとにしました。
 
 実はキノの最中、私は一度キノラウンジを抜け出し、暇そうに待機していたクラップスのテーブルへ行き、「一回だけやらせて」と言って、
$40”パスライン”に置き、ダイスを振ってきました。
 出た目は遠くで見えなかったのですが、左には”5”が、右側は”4”とおぼしき数が見え、「”9”だから、もう一丁”9”出せばいいんだな」と思っていると、なんか様子が違う。ディーラーは呆れた顔でこっちを見て、
配当を付けはじめました。理由はダイスが手元に戻って初めて判ったのですが、出た目は”5・4”の”9”ではなく、”5・6”の”11”だったのです。一投目の”11”はパスライン「即勝ち」イェ〜イ
 宣言通り、未練なく一投で終了。また、キノラウンジに戻ってきたのであります。
今回はナイスキャッチでした

 キノの後は残り時間が1時間ほどとなったので、戻りながら隣の”ラクソー”へ移りました。このホテルは日本人客が比較的多くいるようです。”Oくん”もここで最後のバカラに挑戦しましたが、結果はトントン。「勝負に出たときに限って勝てない」と悔しがっていました。

 そして、”Oくん”の
鬼門ホテル”マンダレイ・ベイ”で突然、彼はBJに飛び入りで$100を賭けました。その時のハンドはこうでした。Oくん1枚目”A”(おっ、やるじゃないか)、ディーラー1枚目”A”(なに〜っ)、Oくん2枚目”5”(アワアワ)、ディーラー2枚目”?”となり、早速「インシュアランス?」となりました。当然、保険などという金はない。「ディーラーnot BJ」で何とか凌いだものの、最終的には”15”でスタンド。結果ディーラーは”A・8”の”19”で負けてしまいました。(次のカードは何だったのかな?)

 さすがにもう部屋に戻ろうと言っていたのですが、彼は最後に「$5のビデオポーカーがやりたい」といい、私はそのチャレンジを見ていました。
 普通この手のポーカーは5BETまで賭けられ、「5BETで賭けた方が配当がよくなる」というのが普通です。もちろん彼は
フルベット。一回チェンジのポーカーに$25も賭けたのでした。
 配られたカードは1枚目が”ダイヤ”で残りの4枚が全て”クラブ”。迷うことなく
”フラッシュ”狙いでGO! さあ、結果は・・・。
 なんと、見事に”クラブ”を引き、1回目で
”フラッシュ”完成即換金となりました。十数秒で$100勝ったり負けたりするおまえは何者なんだ。
 ”マンダレイ・ベイ”初めての換金をし、キャッシュをもらう”Oくん”。「その$100で君はこのカジノを克服したよ・・・」

 これで、今回のツアーは終わり。後は帰るだけになりました。
 とりあえず私は今回、ささやかながら$200程頂戴いたしましたが、”Oくん”は勝ったり負けたりが激しく、
測定不能です。

 帰りは、ほとんどの時間寝ていて、あまり記憶がありません。(写真もない)
 今回の旅の合い言葉は「スマッシュキャノンゲーム」「カジノ・ウォー」であることは二人だけが知っている・・・。

おしまい


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