カジノ討論


最近、某掲示板にて
「カジノは是か非か」という討論が行われており、
そこで書き込んだ私の考えと、反対派のリアクションを記録として
このページに載せてみたいと思います。
皆さんもご意見がありましたら、ぜひお寄せください。




 初書き込み
スレのタイトルからでしょうか、国内へのカジノ誘致に反対の方が多いのですね。
私は趣味が高じて、東京のとあるカジノ(アミューズメントですが)で2年程勤めたことがあります。
無論、私もカジノが好きですから早期の合法化を望んでいますが、
ただ「好き・嫌い」だけの理由で考えているわけではありません。

なぜなら、現在すでに問題となっている、非合法がゆえに存在するアングラカジノ等の闇賭博があるからです。
当然、そこでの収益は「然るべき団体」のものとなっているのですから、
それなら「カジノ」をはじめとするギャンブル全般を表舞台に引き出し、
厳格なルールのもとで管理したほうが良いのではないでしょうか?

もちろん、合法化により露出する「負の部分」がある事は間違いありません。
主立っては「教育の問題」「治安の悪化」「勤労意欲の低下」などが挙げられます。
これらに関しては、「IDなどによる入場制限」「警備員の配置増強」
「賭博中毒者の治療施設の設置」などで緩和するのが妥当だと思います。

現在すでに「パチンコ屋」という和製カジノが、駅前や繁華街に乱立し、
建前上非合法であるがゆえに表沙汰になりづらい事件やトラブルや不正・癒着などがあります。

日本はもう「賭博国家」になってしまっていることを正面から見据え、
その上でどのようにコントロールするのが良いかを見出すのが、私は適切だと考えます。

なお、経済効果だけを狙った安直なカジノ構想なら、私も反対です。
(金だけを目的にしてしまうと、「負の部分」の処理がなおざりになる可能性が強い)
あくまでもカジノ導入を機に、国内の賭博をきちんと統制していくのが目的です。



 反対派の意見1
 谷岡一郎のドキュソ本の片棒を担がないで下さいyo.
>これらに関しては、「IDなどによる入場制限」「警備員の配置増強」
>「賭博中毒者の治療施設の設置」などで緩和するのが妥当だと思います。

規制がザルになるのは目に見えています。また「賭博中毒者の治療施設の設置」
はパチンコ依存症が増加する現状,既に必要な施設ですが,こんなものを
大々的に作ろうという話は聞いたことがありません.
そもそも福祉を切り捨ててハコモノ行政に力を入れているのが石原都政です。
http://money.2ch.net/test/read.cgi/seiji/1016416120/
>74 :名無しさん@1周年 :02/03/22 19:54
>>69
>いや、実際、福祉関係の施設を閉鎖して反対に合ったりしてるんだよ。
>都庁の議事録を読むと。
カジノが出来ても「賭博中毒者の治療施設の設置」は作られないでしょうし
作られてもカジノ解禁のための方便的なものしかできないでしょう。

「カジノ導入を機に」国内賭博を考えるのではなく、まず現状のケアをきちっとした上で
カジノを導入するという議論でなければ、全く説得力がありませんね。
そもそもそういった「現状のケア」をきちっとセットにしてしまうと
カジノの採算性は疑問なわけですが。

何より、そもそもこの問題は、賭博を財政の手段として利用すべきか、
という我々の共同体の価値観の問題であるわけですが
カジノ賛成派はこの点には誰も答えてくれませんね。


私の意見2
>谷岡一郎のドキュソ本の片棒を担がないで下さいyo.

開口一番これですか・・・
仰せの通り私は、谷岡一郎氏の著書には基本的に賛同しておりますが、
いきなり「片棒を担ぐ」とまでいわてしまうとは心外です。
煽りのつもりで書かれているのだと思いますが、少々言葉を選んでいただきたかった。

>「カジノ導入を機に」国内賭博を考えるのではなく、まず現状のケアをきちっとした上で
>カジノを導入するという議論でなければ、全く説得力がありませんね。

これについてはごもっともだと思います。私の書き方が悪かったせいか、確かに後先の順番が違います。
カジノ云々の前に、とにかく非合法であるがゆえの「日本の賭博」にもっとハッキリとした線引きを行うことが必要です。

>そもそもそういった「現状のケア」をきちっとセットにしてしまうとカジノの採算性は疑問なわけですが。

もちろん初期採算は取りづらくなりますが、現在のアングラマネーを表へ出す効果を考えれば、
将来的には採算が取れると考えています。

>賭博を財政の手段として利用すべきか、という我々の共同体の価値観の問題であるわけですが
>カジノ賛成派はこの点には誰も答えてくれませんね。

私個人の意見ですが、今現在の国内賭博の現状を考えると「利用したほうがまし」という感じです。
表の世界で利用しなければ、結局誰かが闇の世界で利用しようと考えるでしょうから。

そういう意味では、私の賛成論は、
「日本の賭博環境の整備」「厳格な賭博運営の管理」という条件がついてものとなります。
正直、今の日本で日常的に行われている「癒着や不正揉み消し」などを考えると、まだまだ先は長そうですが・・・

ところで、仮に上記のような法整備ができたとしても、
カジノを含む賭博をビジネスとして運営することはいけないとお考えですか?
「どうせできっこない」という言葉は抜きにして、ご意見をお聞かせください。


反対派の意見2
やはり貴方の主張はヘン。貴方が言っていることは
「覚醒剤や大麻を解禁しないから闇世界が大麻でボロ儲けしているのだ、
むしろ娯楽として麻薬を楽しむことができる施設を国が用意する。大麻の専売制だ。
税収も上がる。ただし専売制で儲かった財源で大麻ケアもきちっと国がする。
こうすれば闇世界への違法なマネー流出を抑制できる。これだね」
とどこが違うのやら。もはや苦笑すらできません。

闇世界へのマネー流出は、警察の捜査能力の低下に起因している部分が大きいんだから、
警察官定員の増加・ITや語学(中国語・ハングル)研修、組織変更、
諸外国警察組織との交流等で十分対処可能だよ。
実際、そのため一環として、ここ数年、警察官の新規・中途採用を増やしているわけで。

>賭博をビジネスとして運営することはいけないと

ギャンブル依存者のケアをきちんと、などとまるで他人事のように言うが、
身内にギャンブル依存症のヤツが出たら、その家族にとっては
それは取り返しのつかない致命的なダメージなわけだが。
机上の計算しかできない、想像力のないアフォには政治は任せられない。

>仮に上記のような法整備ができたとしても

「仮に」ね。貴方自身が現状ではカジノは無理、思考実験の段階だと言っている。
その思考実験の域を出ない「政策」を、
性急に現実の政策として実施を試みようとしているのが石原都知事なわけですが。


私の意見3
>やはり貴方の主張はヘン。

そうですか・・・
ただ現実問題として、すでに国内には数々の賭博が半ば公然と認められていることを考えると、
全部を禁止する事は事実上不可能でしょうから、それなら「表で厳密にコントロールする」という考えは適切だと思います。

>覚醒剤や大麻を解禁しないから闇世界が大麻でボロ儲けしているのだ・・・

一見、非常に良い例えに思えますが、「賭博」と「麻薬」を一緒くたにするのは不適切だと考えます。
どう考えても「麻薬」より「賭博」の方が圧倒的に世間へ浸透してしまっているため、
「麻薬」と一緒のレベルで比較するのは問題があるように思います。
結局、この例えで話を進めると、「酒」や「タバコ」も同罪になるのではないでしょうか?

>闇世界へのマネー流出は、警察の捜査能力の低下に起因している部分が大きいんだから・・・

これは仰るとおり、警察の捜査能力の向上に力を入れるべきだと思います。
ただ、警察は非常に「狡猾な組織」として有名ですから、肝心な場面で手薄になりそうなのが恐いですね。
警察を監視する「公安委員会の委員」が「警察庁の人選」で決められている時点でダメなわけですが・・・

>「仮に」ね。貴方自身が現状ではカジノは無理、思考実験の段階だと言っている。

悔しいですが、これは全くその通りです。もっともっと「思考・実験」を重ねて行うべきです。
仮にカジノを作るとしても、小規模なモデルで実験をするべきでしょう。

>その思考実験の域を出ない「政策」を、性急に現実の政策として実施を試みようとしているのが石原都知事なわけですが。

私も石原氏の「パフォーマンス中心」の取り扱いには少なからず不満をもっています。
カジノを少しでもかじった人間として、「気軽に作って成功する」ような甘い話ではありません。
経営に少しでも隙を見せれば、すぐハイエナたちの餌と化してしまうでしょう。


反対派の意見3
麻薬と賭博を比較したのはどちらも公に禁圧されているが解禁論が跡を絶たないためです。
酒とタバコは別に法で禁じられているわけではないので、それこそいっしょくたに
すべきではないでしょう。

また、警察紀律の強化と、ギャンブルの合法化+ケア制度の確立を比較すれば、
政策としては前者の政策は現実味があります。

警察綱紀の強化は、闇マネー対策以外の一般犯罪防止にも効果があるので、
効果に比したコストは相対的にかなり低いものとなりますね。

対してギャンブルの合法化+ケア制度の確立政策は、・カジノ本体から得られる
収益が未知数なことに加え、・周辺環境の悪化への対策、・利権問題、
・特に若年層や低所得層の労働意欲の減退、・モラルの低下、・ギャンブル依存症のケアなど、
得られる利益乃至メリットに比した、リスクとコストが大き過ぎます。


私の意見4
>麻薬と賭博を比較したのはどちらも公に禁圧されているが解禁論が跡を絶たないためです・・・

確かに法律上の観点から見ると「麻薬」と比較したほうが良いかも知れませんが、
現在の世間一般への浸透度を考えると、やはり「酒」や「タバコ」と比較するのが妥当だと思います。
建前では「公に禁止」されていますが、「賭博」は特に有名無実となっている事は周知の事実です。

>・・・政策としては前者の政策は現実味があります。

現実味というより、それは真っ先にしなくてはならない事です。
ただ、「キャリア制」等をはじめとする「警察組織」は、
私たちの想像を絶する非常識的な組織である事を考えると、金銭以上の手間が掛かりそうです。
これは「賭博の合法」云々の前に、片付けるべき内容だと思います。

>・・・リスクとコストが大き過ぎます。

前にも申し上げましたが、
それなら、モデル地域などで「ごく小規模」の仮運営して、「思考・実験」を行えば良いのではないでしょうか。
「カジノの収益」だけでなく、「デメリットの部分」も同様に未知数なのですから・・・
実験的なものを行う価値はあると思います。

ところで貴方は、現在の日本のように、
あやふやな「賭博」と「法律」の関係を今後どうするのが良いとお思いなのでしょうか?
まさか、このままにして置くのが良いとは思いませんよね。
では、全てを違法にして「摘発・廃止」すれば解決するとお考えですか?
これまで日本は「特例に特例を重ねて賭博を認めてきてしまった」過去がある訳ですから、
そういう意味でも、そろそろけじめを着けるべきではないでしょうか。


反対派の意見4
>現在の世間一般への浸透度を考えると、やはり「酒」や「タバコ」と
>比較するのが妥当だと思います。

「浸透度」という裏付けのない曖昧なモノサシで測るのが「妥当」とは思いませんが
仮に酒・タバコと比較するのが「妥当」だとしましょう。仮に「妥当」だとしても、
酒もタバコも道徳的観点からは否定されるという点は同じですが。

>これは「賭博の合法」云々の前に、片付けるべき内容だと思います。

そうですね。その程度の「改革」すらできないのなら、賭博の合法化など、何をか況や。

>実験的なものを行う価値はあると思います。

なし崩し的に合法化にする戦略ですね(貴方が主観的に「なし崩し」と考えていなくとも、
政治の論理でそうなるだろうから結局は同じこと)。↓と矛盾しています。
>日本は「特例に特例を重ねて賭博を認めてきてしまった」過去がある訳ですから、

↑これは改めねばならない慣行でしょう?
一方でこのような「慣習」を批判しながら、他方でカジノについて「過去」=慣習を
踏襲する戦略に出るのが矛盾と言わず何と言いましょうや。

>「デメリットの部分」も同様に未知数なのですから・・・

これは詭弁ですね。会社で新たなプロジェクトを立ち上げる際に、
「見通しは未知数だが、リスクもデメリットも未知数だからカネを出せ」
などと主張しても経理からカネは一銭も出ませんよ。確実な見通しを示すべきです.

「博打を政策に」と主張するのは結構ですが、説得力のある根拠を示すべきですよ。
>>517 を読む限りでは貴方も「政策が博打」なタイプですね。


私の意見5
>・・・酒もタバコも道徳的観点からは否定されるという点は同じですが。

これは、道徳的に否定されているものでも、「禁圧」すべきか「規制」すべきかを考える、という意味で例えたまでです。

>日本は「特例に特例を重ねて賭博を認めてきてしまった」過去がある訳ですから・・・

私はけじめのつけ方を「禁止すべき」という意味ではなく、「管理すべき」という意味で申し上げたのです。

>これは詭弁ですね・・・

確かに、ある程度の範囲を打ち出すのならともかく、全くの「未知数」では話になりませんね。
ただ「見通し」という将来の予見に対して「確実」を求めるのは、さすがに都合が良すぎると感じます。
結局、「売上や税収」「雇用や運営費用」「収益の分配比率」などの概算を数字で出すのが関の山でしょう。

>「博打を政策に」と主張するのは結構ですが、説得力のある根拠を示すべきですよ・・・

「博打を政策に」といったつもりはありませんが、文脈でそのように取られてしまったのなら、私に非があります。
私の考えの基本は、賭博に対して「厳密な管理」をして欲しいということです。
その理由は、多数の「闇賭博場とアングラマネーの追放」や、現在ある賭博を「より公正に行う事」などです。

例えばラスベガスで「スロットマシンの期待値を変更」をするには、委員会への申請・許可が必要ですが、
日本のパチスロは「毎朝設定を自由に変え、暗黙の中で期待値をいじる事」が容易です。
これは、パチスロ自体が建前では非合法なため、ルールを堂々と公表することができず、
イカサマ同然の行為が当たり前のように行われている理由といえます。
また同様の理由から、ハウス側の不正に対するペナルティも軽すぎます。

ちなみに私は「カジノ=ラスベガスのような巨大施設」という考え方だけに拘らなくても良いと思っています。
例えばイギリスのカジノは会員制の小さなクラブで、会員になるためには審査があります。
また、入場時のドレスコードがあり、賭博を推奨するリクルート活動も禁じられています。
当然規模が小さいため、経済効果は少ないですが、「闇賭博の追放」や「賭博の公正化」には効果があるでしょう。

※ここでいう「公正」とは、「ハウスの一存だけで客に見えない部分のルール変更を認めない」という意味です。