本戦
2011年5月21日(土)

先週日曜日に参加した、「第5回全日本ポーカー選手権(AJPC)」の予選大会は、幸運にも本戦出場の切符を手に入れるという快挙となりました!

そして、5/21(土)朝10:00に日本一のポーカープレイヤーを決める全2日間の長き戦いの火蓋が切られました。

会場には150名を超える参加者が一同に会し、日本最大のポーカートーナメントであることを実感させてくれます。

そんな舞台で自分もポーカーをプレイできることに喜びを感じるとともに、恥ずかしい戦いだけはしたくないという緊張感も高まってきました。



さて、10,000点持ちで始まった試合は「45分置きにブラインド上昇」という大変緩やかなストラクチャーとなっていたため、じっくりと手を選んで勝負ができそうです。

序盤、「5,5」「A,10」の手がそれぞれ、セッツ(スリーカード)やストレートになっていたものの、相手のレイズ額の高さやポジションの悪さが起因してプリ・フロップのフォールドで参加に至らず、チャンスを逸します。

途中「Q,Q」の手札でレイズした後、一人にコールされ、「K, 5, 5」のボード(場札)でベットして相手を降ろしたのが最初の勝利となりました。

その後、大きなチャンスとなった「A,A」の手札で相手のレイズに再レイズ。
相手が勝負に乗ってきて「J, A, 4」のボードでフロップセッツ完成!

場にはが2枚出ているものの、それ以外ではこの時点で良化しそうな手札の組み合わせが無く、実質この時点で勝利が確定した感じです。

そこで、相手に逃げられないよう、「チェック」の作戦で相手の出方を伺います。
しかし相手にもチェック・ビハインド(チェックを受けて同様にチェックすること)され、ポットの賞金は増えません。

次に「7」が出現して、まだ余裕がありそうでしたが、さすがに多少賭けた方が良いかと思いベットした途端、相手にフォールドされてしまいました・・・残念。

それでも、5,000点近くのチップを獲得して持ち点は15,000点くらいになったため、しばし様子を見ながら落ち着いて攻めるチャンスを見定めます。

以降も順当に持ちチップを維持したものの、ここで一つのターニングポイントに出会います。

実は私がプレイしていた卓が一番最初にテーブル・ブレーク(参加者の減少に伴うプレイ卓の統合〜それによるテーブル閉鎖)となってしまい、現在地から一番遠いテーブルへ移動することになりました。

新しいテーブルでは、対戦相手の性格やそれまでの勝負の展開が分からないため、情報戦となるポーカーにおいては不利に作用しがちです。

そんな中、まずは卓上の対戦者の賭け方の特徴をつかもうと、しばらく様子見に時間を割くことに。

ちょうど配られる手札も好ましくない物が多く、持ち点も苦しくなかったのでそれなりに時間を割くことができました。

どうやら最初居た卓に比べて、かなりタイトなようです。
つまり良い手札が配られたり、ボードと手札がマッチしてからでないとチップが動かない感じでした。

とはいえ、時間ばかり稼いでも持ちチップが徐々に減ってくるため、ちょうどSB(スモール・ブラインド)の時に誰も参加していない勝負だったので、レイズしてBB(ビッグ・ブラインド)の賭け金をスチールしようと思ったのですが、ここで手痛いミスを犯してしまいます・・・

実は自分がオリジナル・レイザー(最初にレイズする人)だと思っていたら、ディーラーの左に座っているプレイヤーから既にレイズが入っていたのです(自分の座席から遠く、またディーラーの影になっていて見落としていました) 。

そのため、発声をすでに行ってしまった自分は再レイズ(3ベット)をしなければならなくなり、フロップで中途半端なワンペアができたものの、結局勝負に残れず2,000点の持ち点を放出しました。

そして、その後しばらくしてから、大きな局面を迎えます。

《状況》
ポジション:MP(5番目にアクションするミドル・ポジション)
手札:A,Q(スーツは特に関係なし)
持ち点:約13,000点
ブラインド額:200点-400点

最初にアクションするポジション:UTG(アンダー・ザ・ガン)の女性からリンプイン(ビッグ・ブラインドと同額をコールすること)が入った場面です。

もちろん手札は強さを主張するに十分なので、2,000点にレイズ!
誰も勝負を受けることなく、そのまま例の女性が再度アクションする番に。

すると突然彼女は「6,000点のオールイン」を宣言してきたのです。

最初コールで入ったくせに、誰かからレイズされたら急に再レイズするなんて普通じゃありません。

どう考えても、モンスター(超強力な手札:AA、KK、AKなど)を持っているのだと直感しました。

普通に考えれば、ここはフォールドしてすでに賭けた2,000点見放すのが安全策です。
しかし、それまでの彼女のプレイはかなりルーズだったのを覚えていました。

同じUTGのポジションでは決して強くない「K,J」等で普通にレイズを行っていた位ですから・・・

1分近く悩みましたが、あと4,000点を出せば勝負ができ、仮に負けても約7,000点が残るので勝負を受けてしまったものの、彼女の手札は私と最も相性の悪い「A,K」だったのです。

残念ながら「A,K」「A,Q」では25%の勝率しかありません。

とにかく、ボードに「Q」が出てくる事を祈るのみです。

最初の3枚の場札となるフロップには、何と「Q」が入っていたものの、「K」も一緒に出ており、状況は変わらぬまま全てのカードが出切り、貴重な6,000点を失ってしまいました。

そしてこの後は大変厳しい戦いに入ります。

ブラインド額が徐々に上がり、フロップを見てから賭け額を調整する余裕がなくなってきたのです。

その上、序盤に良い手が入りすぎたのか、肝心なこの場面でクズ手のオンパレード・・・

有利なポジションや僅かに勝負できそうな手札で力づくの「オールイン」を連発し、辛うじて生き残っていました。

そして、80分間のランチブレイクに入る10分ほど前、運命の手札「9,9」が配られたのです。

《状況》
ポジション:EP(3番目にアクションするアーリー・ポジション)
手札:9,9(スーツは特に関係なし)
持ち点:5,500点
ブラインド:400点-800点

自分の後に8人のプレイヤーが控えており、ポジションは正直悪いですが、このクラスの強い手札が入ることは決して多くなく、持ち点もビッグ・ブラインド7個分しか無いこともあり、果敢に「オールイン」で勝負に出ます。

普通、全額勝負となるオールインの勝負は中々受け手がいないのですが、なぜか自分の真向かいとなるCO(カットオフ)のポジションのプレイヤーが喜び勇むかのようにオールインを宣言。

この挙動を見て、私は全てが終わったと実感しました・・・
既にオールインがいる状況なのに喜んで上乗せオールインする位ですから、モンスターハンドを持っていることを明かしているようなものです。

COの彼が見せた手札は「Q,Q」でした。
私の「9,9」では、ほぼ勝ち目がありません。

もし勝てるとするならば、「9」をもう一枚引き込むか、ストレートのような「Q」に頼らない手役を作らなければないでしょう。

しかし、フロップに現れた3枚のカードには「Q」が・・・
もう、「9」を一枚引いても勝ち目がなくなりました。

結局にこの勝負が私の本戦最後のハンドとなってしまい、全163名中80位というちょうど真ん中の成績で試合が終了しました。

本戦での試合時間は約4時間30分。
こんなに時間が経過していたとは思っていませんでしたが、家に帰るときの電車の中でそれまでの緊張がドッと解けたのか、すぐに居眠りしていました。

それにしても、今回は初の本戦出場という素晴らしい体験を積むことができ、大変満足しています。

これを機に日本国内でもポーカーが「競技」としても認知され、素晴らしい選手やプレイ環境が増えることを願って止みません。

[完]



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