去る、2010年5月9日(日)に実施された、「第4回 全日本ポーカー選手権」
予選会に出場してきましたので、そのレポートをアップいたします。
今後、このような規模の大会が増え、競技ポーカーが一層認知されるとよいですね。



 出場レポート
毎年春の恒例イベントとなっている「全日本ポーカー選手権(AJPC)」の予選会へ出場してきました。

2007年より始まったこの選手権は、東京、大阪、オンラインの3ヵ所で予選会を行い、予選通過者は来週末に行われる「メイン・トーナメント」に出場することができます。

メイン・トーナメントは各予選を突破した合計100名の出場者で戦われ、これに優勝すれば、この夏ラスベガスで開催される「ポーカー世界選手権(ワールド・シリーズ・オブ・ポーカー)」のメインイベントに渡航費付きで出場させてもらえるのです!

ちなみに、メインイベントはオープントーナメントで誰でも参加が可能ですが、参加費用は何とUS$10,000(約92万円)と大変高額です。

とはいえ、昨年2009年度のメインイベント参加者は約6,400人というから驚きですね。
こんな大会ですから賞金も物凄くて、優勝者は10億円近くを手にすることができるのです。

さて、そんな夢のある大会出場の足がかりとして臨んだ日本選手権の予選。
会場は羽田空港近くにある「株式会社セガ」本社にて行われました。

今回私は「当日エントリー」という、いわゆるキャンセル待ちでの出場となったため、事前申込者のキャンセル数により、参加対象となる試合開始時間が決まります。

エントリー時の整理番号は「32番」ですが、朝一の10:00から開始する予選は3試合同時だったので、早くも30番までの整理番号者は、朝一の予選に出場が可能になりました。

加えて、31番も追加で参戦可能になったものの、ここで3試合とも満席となったため、自分の32番は次回12:00からの出場となりました。

時間は大分余ってしまいましたが、友人達と一緒に現地入りしていたので、先に仲間の戦いを見守りつつ時間を過ごしていきました。

残念ながら仲間は善戦ならず、早々に敗退してしまい、色々と反省点を話しあう結果に・・・

頭で分かっていても、実際にテーブルへ着くと独特の緊迫感が思うように行動をさせてくれません。
さて、自分はどこまで踏みとどまれるでしょうか?

予選トーナメントのルールは、いわゆる「クオリファイ形式」で、各試合の参加者50名に与えられた3,000点のトーナメント・チップが上位6名で占められるまで戦いを続けるというサバイバル形式です。

生き残った6名がメイン・トーナメントへの切符を手にすることができます。
言い換えれば、一回一回のゲームに勝ってチップを増やすことが目的ではなく、いかに最後まで生き長らえるかが勝負の主軸となります。

12:00から始まる試合への参加が決まり、トーナメント・エリアに足を踏み入れます。
トーナメント・エリアは出場者のみが入れる区画で、観戦者とは異なります。

早速テーブルに着き、開始の時を待ちます。
同卓する参加者はどんな感じか、経験はありそうか、すでにこの時点で勝負が始まっているといっても過言ではないでしょう。

12:00を少し回った所で、トーナメント・ディレクターより試合開始の宣言「Shuffle up & deal」が掛かり、ディーラーよりカードが配布されました。

さて、いよいよ予選がスタートしたのですが、早速悩ましい展開に。
よくある話なのですが、まったく良い手札が配られないのです。

最高位の札であるエースはおろか、絵札もほとんど手にすることがありません。
まだ序盤なので、一回の勝ち負けで動くチップ量もさほど多くないということもあり、ここは余裕を持ちながら、じっと十分に戦えそうな手札が来るのを待ちました。

それから約20分、ブラインド(強制的な参加チップの額面)も一段階上昇し、そろそろ展開も変わるだろうと期待していたのですが、配られる手札は一向に良くなりません。

20回以上ゲームが進んでも、一回たりともエースが配られないという事態に陥ってしまいました。
良い意味で考えれば、中途半端なエース(もう一枚の札が弱い)は大きくチップを失うトラブルの元凶ともいえるので、その可能性は全く無いのですが、いかんせん自分とブラインドのプレイヤーだけが残った際にスチール(ブラインドのプレイヤーに対して、賭けチップを吊り上げて勝負を諦めてもらう)を掛けるのにも一苦労です。

そして開始30分を過ぎた頃、初めて2枚の絵札「K,J」が配られ、スチールで150点のチップを増やしたのが最初の勝利です。
しかし、その後も勝負するには心もとない手札が配られ、またじっと待つ展開へと戻りました。

さらにブラインドが上昇し、3ラウンド目になって本日初のエースが配られました(クラブのAと10)。
もちろんレイズで参加するものの、今まであまりにも勝負から降りていたためか、さすがに警戒の対象となってしまったようで、結局この回もスチールでの勝利で終わってしまいました。

ブラインドはどんどん上昇するものの、持ち点は原点の3,000点からほとんど動かず、徐々に苦しい場面になってきます。
周りでは、オールインの掛け声もちらほらと現れ、敗れてテーブルを去る者、勝負を制しチップを山積みにする者と二極化の様相を呈してきました。

最初5テーブル×10名でスタートした予選も人数の減少とともにテーブルが統合され、1時間半くらい経ったころ、4番テーブルから1番テーブルへと移動になりました。

これまでに勝利した回数はわずか3回。それもすべてスチールで終了するといった結果で、持ち点は一度も3,000点を上回っていない苦しさです。

テーブル移動があると周りのプレイヤーがガラリと変わるので、カードにも同様の変化が訪れることを期待していましたが、ポジション(席次)が不利であったり、相手がビッグスタック(豊富な持ち点)で下手な勝負が掛けられないなど、なかなか条件が揃わず、半ば無理やりのオールインでチップを辛うじて維持して生き延びていました。

そんな中、配られた手札が「Q,10」。
ポジションも良く、スチールも兼ねてのオールインを宣言。
自分よりチップを持つビッグ・ブラインドのプレイヤーが若干悩んでのコール。

いよいよ自分もこの回が最後の勝負になるかもしれません・・・

相手:A,J
自分:Q,10(両方

この場面ではエースを持つ相手のほうが有利です。
ディーラーがおもむろに最初の場札(フロップ)を3枚開きます。

場札:Q,6,7(1枚

よしっ!
「Q」がペアになり、一気に形勢逆転です。

次の場札(ターン)は「J」で、相手にペアができたものの数位が低く、こちらにはフラッシュ・ドロー(あと一枚でフラッシュ完成)ができたため、まだまだ有利です。

そして最後の場札(リバー)には「3」が現れ、フラッシュにて今大会初のまともな勝利を得ることができました。
この時点で持ち点も8,400点となり、ようやくゲームに参加できる最低限のチップ量を手にした事になります。

しかしここからが肝心。
これらのチップをどの場面で使い、増やしていくのかを吟味しなければなりません。

相変わらず手札は全般的に弱く、誰かから先にレイズを入れられてしまうと、なす術がありません。
途中、「A,8」の手札でオールイン敢行を考えたものの、思い留まった場面があったのですが、その時は2人右のプレイヤーが「A,K」を持っていたなど、今にも足場が崩れそうな崖の上を慎重に歩いているかのような気持ちでした。

そして、じっと辛抱を続けている中、一つのチャンスが巡ってきました。
自分はビッグ・ブラインド(1,200点)で「A,7」の手札、持ち点の少ないショート・スタックのプレイヤーから2,400点のオールインが掛かります。

自分までの全員がゲームから降り、自分はあと1,200点出せばオールイン者との直接対決です。
相手に「エースと8以上」の札があれば圧倒的不利ですが、低い数位のペアや絵札2枚だったら、何とか勝負ができそうです。

しかし、コールして手札を開いてみると相手は「A,9のスペード」。自分が「A,7」ですから勝率は激減です。
あとは場札の助けを借りる他ありません。

最初に配られたフロップは「K,J,J」。
特に目立ったところもなく、自分が不利な状況は変わりませんが、一つの光明が見えてきました。

もし、このあと場札が一層強くなり、ツーペアやトリップス(スリーカード)になってくれれば、「相手の9」や「自分の7」は手札として組み入れる対象から外れ、引き分けに持ち込めるのです。

引き分けへの期待を込めて、ターンが配られるとそこには「4」が・・・
このままでは勝負に負けてしまいます。

相手:A,9
自分:A,7

場札:K,J,J,4 (スーツはバラバラ)

この状態で自分が勝つことができるのは、たった3枚残っている「7」(6.8%)
引き分けに必要な札は比較的多く、2枚の「A」、3枚の「K」、4枚の「Q」、2枚の「J」、4枚の「10」、3枚の「4」(40.9%)
そして上記以外はすべて負けとなります。(52.3%)

さぁ、最後のリバーをディーラーが開いてみると・・・

何と「3」でした・・・涙

相手:A,9
自分:A,7

場札:K,J,J,4,3 (スーツはバラバラ)

相手:J,J,A,K,9、自分:J,J,A,K,7、となり、6,400点あったポット(賞金)は全て相手へと流れてしまいました。
そして、これが今回の試合の致命傷となってしまったようです。

持ち点は半減し、さらに上昇したブラインドを支払うのもままならなくなり、とうとう次周のビッグ・ブラインドでは「A,5」の手札で半強制的なオールインをさせられたものの、莫大なチップを持つ相手の「K,K」に捕まり、約3時間の戦いに終止符が打たれました。

最終順位は記録されてないため、正確には分かりませんが、50名中18位くらいだったようです。

毎年このあたりで息絶えてしまう自分のポーカースキルを磨いて、何とか順位一ケタ台、そして予選突破の上位6名へ勝ちあがれるよう、これからも精進していきたいと思います。

[完]






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